OEM車とは?

トヨタ ルーミー(ダイハツ トールのOEM)
トヨタ ルーミー(ダイハツ トールのOEM)

『見た目はほぼ同じなのに、エンブレムが別メーカー…』というクルマを見かけたことはありませんか?そのクルマは、おそらく”OEM車”です。

OEMとは、「Original Equipment Manufacturing」の略で、「相手先ブランドの製造」などと訳される言葉。簡単にいえば、他社ブランドの製品を作ることを指します。

つまり、他社メーカーが開発・製造したクルマを提供してもらい、自社のエンブレムを付けて販売されるのがOEM車です。

有名どころでいえば、「トヨタ ルーミー」と「ダイハツ トール」。トールはダイハツが製造・開発を行っているクルマですが、トヨタではルーミーという車名で販売されています。

共同開発車とOEM車の違い

トヨタ スープラとBMW Z4
トヨタ スープラとBMW Z4

OEMとは別に、”共同開発”されているクルマもあります。

OEM車の場合、受託側が開発・製造を担当していますが、共同開発車ではメーカー同士がタッグを組んで開発を行います。

例えば「トヨタ 86」と「スバル BRZ」、「トヨタ スープラ」と「BMW Z4」などは、両メーカーが共同で開発したモデルです。

内外装の違いはもちろんのこと、足回りやステアリングフィールなど、”クルマの味付け”は各メーカーが独自に行っています。

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メーカーがOEM車を販売・供給する理由とは?

駐車場に並ぶ車
©️Kadmy/stock.adobe.com

他社からOEM供給を受ける大きな理由は、「ラインアップの充実」を図るため。例えば、軽自動車を自社生産していないメーカーがOEM供給を受けることで、軽自動車を販売することができます。

そして、なぜ自社にないクルマを、他社から提供してもらってまでラインアップするかというと、ユーザーが他社メーカーに流れないようにするためです。

クルマの購入を検討している方がいるとき、自分の希望する車種がなければ、他社メーカーのクルマを検討するのは当然の流れ。そうなれば、今まで点検や整備などで入庫していたユーザーを失うことになり、大きな痛手となってしまいます。

しかし、OEM供給を受けることで需要への対応が可能となり、開発・製造コストをかけずに「自社ラインアップの穴」を埋めることができるのです。

受託側には、自社のクルマを他社に提供することで、生産量増加による利益を見込めるというメリットもあります。

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