5月でも熱中症の危険あり! GW中の外出で子どもやペットの車内取り残しにJAFが警鐘!

■5月でも車内温度が最高46.5度に上昇

久々に行動規制が一切ないゴールデンウィーク(以下、GW)がスタートしています。しかも今年は、最大9連休となることもあり、家族でクルマを使った旅行を予定している人も多いでしょう。


5月でも子どもを車内に残したままは熱中症の危険がある(写真はイメージ)

でも、そんな時に気をつけたいのが「熱中症」です。

熱中症といえば、夏に起こりやすいイメージ。ところが、ロードサービスを手掛けるJAF(日本自動車連盟)によれば、比較的過ごしやすい春や初夏の時期でも、天気のいい日などに旅行先で野外にクルマを停め、車内に子どもを残したままにすると、少しの時間でもかなり危険度が増すといいます。

では、実際に、どのくらい危険なのでしょうか? JAFが行ったテスト結果などを紹介しましょう。

●大型SUVと軽ワゴンで実験

今回紹介するJAFのテストは、2019年5月8日に、埼玉県の彩湖・道満グリーンパークにある駐車場で実施されたものです。内容は、長時間駐車することで車内温度がどう変化し、5月でも熱中症の危険があるのかを検証しています。

テスト当日は晴天、外気温23.3度〜24.4度の過ごしやすい日中に、大型SUVと軽ワゴンの先端を南向きに設置し、車内温度を計測しました。なお、計測開始時の車内温度は25度だったといいます。


2019年5月に実施したJAFのテスト結果(出展:JAF)

計測開始後から約10分で、SUVが33.6度、軽ワゴンが32.0度を記録。その後、いずれの車両も、時間が経つにつれ車内温度は上昇しますが、30分経過で大型SUVが39.9度、軽ワゴンは35.5度を記録。1時間後には、なんと大型SUVが43.5度、軽ワゴンが37.5度になったといいます。

この結果により、どちらの車両も5月だというのに条件によっては車内温度がかなり上昇してしまうケースもあることが分かります。


フロントガラスから入る太陽の光が、予想以上に車内温度を上昇させる(写真はイメージ)

しかも、より車内が広い大型SUVの方が軽ワゴンより室内温度の上昇率も高く、最高で46.5度を記録したそうです。

なお、JAFでは、この差について、「フロントガラスの面積と角度の違い」が原因ではないかと検証。おそらく、よりフロントガラスが大きい大型SUVの方が、太陽の光を車内に採り入れやすい分、車内温度の上昇も早く、より高くなるのかもしれませんね。

●54.9%が子どもを車内に残した経験あり

ちなみに、JAFでは、2022年12月13日〜2023年1月12日までの1ヵ月間に実施した「子どもの車内事故に関するアンケート調査」の結果も紹介しています。


JAFが行ったアンケート結果(出展:JAF)

アンケートでは、同居に関わらず家族に12歳以下の子どものいる人246名に、「時間の長さに関わらず、少しの時間であっても子どもを車内に残したままクルマを離れたことがありますか?」といった質問を実施しています(有効回答数:692)。

その結果、54.9%が「ある」と回答。また、理由のベスト3は、


子どもが寝ているという理由で、車内に残した経験がある人も多い(写真はイメージ)

1位:「用事(買い物や兄弟の送迎など)を終えてすぐに(5分以内)クルマに戻ることができるため」 54.8%

2位:「子どもが寝てしまい、起こさないため」 19.3%

3位:「子どもの希望(降りるのを嫌がるため) 12.6%

だったといいます。


子どもだけでなく、愛犬などのペットの置き去りも危険

こうしたテストやアンケートの結果から、JAFでは、5月でも、密閉された車内は思いがけず高温となることがあることに言及。

また、「少しくらいだから、ぐっすり寝ているから、という子どものためを思った行動は、逆に危険にさらしかねません。油断せず、お子さんを残してクルマから離れることは絶対にやめましょう」と警鐘を鳴らしています。

子どもに限らず、たとえば、愛犬などのペットを車内に残して出かけてしまうのも、同様に危険だといえます。大切な命を守るために、ぜひ注意したいものです。

●JAF公式YouTubeチャンネル

5月ならまだ大丈夫? 車内での熱中症の危険【JAFユーザーテスト】

(文:平塚 直樹)