横浜中華街の魅力といえば、食べ歩きスポットが多いことです。中華料理をメインにさまざまなグルメの店がひしめき合う中、特に行列ができる人気の一軒を紹介。上海のローカルフード・焼き小籠包が名物の「鵬天閣 新館」です。

ダイナミックな調理シーンに思わず釘付け

同店がある場所は、界隈の中心街である中華街大通りの中ほど。元町・中華街駅からは徒歩4分程度で到着します。「鵬天閣」には系列店がいくつかあり、焼き小籠包と中華粥(がゆ)が人気の「鵬天閣 酒家」が近くにあるほか、新館脇の路地を挟んだ隣にはタピオカやチーズタルト、焼きたてのパイナップルケーキを販売する「鵬天閣 七茶」があります。 

創業したのは比較的近年で、ルーツは2007年に横浜中華街の地久門近くで開業したオーダー式食べ放題店「珍味園」。「鵬天閣 新館」は2011年にオープンし、店頭のガラス越しに見られる調理シーンなどが話題となって人気店の仲間入りを果たしました。

その光景は、確かに見ているだけでも飽きません。厨房には数人の点心師が各セクションで仕事をしており、圧巻のスピードで具材を生地で包み、焼いていきます。多い日には1日でひとり2,000個以上も包み、1万個以上が売れるのだとか。

焼き小籠包の皮は2種類があり、ひとつは一般的な白いタイプ。もうひとつは翡翠(ひすい)色の生地です。この鮮やかさの秘密は、ほうれん草を練りんでいるから。焼く工程を見ると、2色のコントラストはビジュアル的にもインパクトが抜群。辺りに広がる焼き上がりの香りとも相まって、食欲がそそられます。

(広告の後にも続きます)

色だけでなく味も異なる焼き小籠包を食べ比べ

色の異なる生地は中身の具材とも関連していて、白いタイプは王道の豚肉あん。翡翠色のほうは海老などを混ぜ込んだ海鮮豚肉あんです。この「豚肉焼き小籠包」と「海鮮焼き小籠包」を両方味わえるセットが、同店の一番人気。

味わってみると、まずはあふれる肉汁に驚かされるはず。そして、焼き面の香ばしいカリカリ食感と、上部のモチモチ生地とのメリハリが絶品で、大行列にも納得です。

「豚肉焼き小籠包」は、弾力豊かでジューシーなあんに肉の旨みが凝縮。「海鮮焼き小籠包」は、海鮮のやさしい出汁が効いた奥深いうまみを感じられます。なお、出来たてはアツアツなのでヤケドに注意し、好みで黒酢をかけて味わいましょう。