日本人でも好き嫌いがひどく分かれ、好きな人は毎日でも食べるけど、ダメな人は臭いだけで逃げ出す食べ物が「納豆」。

特に関西地域では苦手な人が多いようで、1981年に関西納豆工業協同組合が関西での納豆消費拡大を狙って制定、1992年に納豆連(全国納豆協同組合連合会)が全国的な記念日としたのが7(なっ)月10(とう)日、「納豆の日」です。

ただし納豆に由来のある車というのも考えにくいため、今回は「NATTO(関西文化を否定し、全国へ納豆普及を目論む「汎関東主義秘密結社」ではナイ)」ならぬ、「NATO(北大西洋条約機構・ナトー)」でよく使われ、民生転用も多い多目的車をいくつか紹介します。

フォルクスワーゲン Type181(1969年)

1960年代版キューベルワーゲン

フォルクスワーゲン type181

冷戦時代の西欧各国、つまりNATO(北大西洋条約機構)の構成国がほとんどという各国の軍隊や政府で使用する、軽量な水陸両用四輪駆動車「ヨーロッパジープ」計画が1960年代に始動したものの、配備までの間を埋める軍用多目的車として採用したのがタイプ181。

「ビートル」の通称で知られるフォルクスワーゲン タイプ1をベースとした、リヤエンジン後輪駆動のオープントップ車で、実質的には第2次世界大戦でドイツが使用した軍用車両「キューベルワーゲン」の近代化バージョンです。

生産性や耐久性を考慮した単純な外装は、民間向けオフロードバギー車としても有用と判断されて一般にも市販され、ヨーロッパジープ計画が頓挫した事もあって、西ドイツ軍(当時)をはじめ、本来の軍用でも1979年まで生産されました。

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フォルクスワーゲン Type183 イルティス(1978年)

後にアウディ クワトロも産んだ傑作四輪駆動車

フォルクスワーゲン type183 イルティス
flickr.com Author: peterolthof CC BY-SA 2.0

ヨーロッパジープ計画の頓挫で、自動車産業を抱える国では独自に新型車へシフトし、西ドイツ(当時)でもタイプ181以前の小型4WD車、DKW ムンガをベースに、フォルクスワーゲンでリファインしたタイプ183「イルティス」を1978年に開発します。

メルセデス・ベンツの対抗馬、「ゲレンデヴァーゲン」に勝って西ドイツ軍に採用され、少数販売された民生版も1980年のパリ~ダカールラリーで優勝したものの、生産は1982年までの短期間で、その後カナダのボンバルディアで1986年まで生産。

フランス軍での採用を狙った姉妹車、シトロエン C44もありましたが、こちらはゲレンデヴァーゲンのフランス版、プジョー P4に敗れました。

なお、イルティスの試験中、その4WDシステムを乗用車に搭載してはどうかというアイデアから生まれた有名なラリー車が、アウディ クワトロです。