「ウクライナにいると、プールに行けないんです。プールまで約1時間の場所に住んでいるのですが、ミサイルが飛ぶとアラーム(空襲警報)が鳴るので、途中で引き返さなければならない。施設も封鎖されてしまい、トレーニングできません」(ヴィータ)
ヴィータのガイド、ナタリア。アイアンマンにも出場し、トップシーンで活躍。ヴィータのガイドがアメリカに移住したため、2023年からガイドを務めているというガイドのマツプコ・ナタリアさんは「ウクライナでは仕事が減り、収入も減ったので、トレーニングを行うには、なかなか難しい状況。侵略の影響で停電が続いている時期もあった。それもトレーニングが難しくなった要因です」と言い添えた。
ロマンさんによると、タンデム自転車などの競技用具は変わらず国の支援で購入できているという。だが、遠征の際、以前のようにキーウから空路で用具を運べなくなったことで、陸路で運ぶ距離が長くなり、「ストレスが多い」と話す。
ワールドトライアスロンパラトライアスロンシリーズ横浜大会ではガイドを務めていたロマン。ナショナルコーチとしてチームをまとめる合宿中に訪問した小学校では、大型スクリーンに写真を投影して説明した。
「冬は雪が降るので主に屋内で練習をします。プールサイドに自転車を設置し、スイムの後、すぐに自転車を漕げるようにしています」
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「キーウで一番大きなサッカー場です。以前はこのスタジアムで(ランの)練習をしていましたが、今はここでのトレーニングがかないません」
地元小学校の高学年170人は真剣に耳を傾けていた。
好きな食べ物は? 得意だった教科は? 沖縄の児童から多くの質問が飛んだ日本選手たちの声
日本の選手たちも影響を受けたようだ。
パリパラリンピック出場を目指す宇田ら日本選手たち「知らない場所でトレーニングをしているだけでもすごいと思う。違う国の選手とトレーニングできるだけで僕たちにとっても刺激になります」(宇田)
「朝一緒に泳いだり、食事を一緒にしたりして、ひたむきさを感じて自分も頑張ろうと思って練習しています」(米岡)
ウクライナ選手団は、5月に開催されるワールドトライアスロンパラトライアスロンシリーズ横浜大会にも出場予定。選手たちのパリへの道は続いている。
競技場に置いてあったホワイトボード。ウクライナの言葉も書かれていたtext by Asuka Senaga
photo by Japan Sports Agency / Uta Mukuo