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「パリでマラソンのメダルを」進化中の鈴木朋樹が好タイムで東京マラソン・男子車いす制す

パラサポWEB

「(絶対王者であり、オールラウンダーの)マルセルの走りを見て、ちょっと次元が違う、高いところに目標を設定していた(ことに気づいた)。何のキャンプ地もない状態でヒマラヤに上ろうとしていたと思います」

「原点に帰ろう」と誓って帰国した鈴木は、ユニバーサルリレー日本代表コーチだった高野大樹氏を指導者として迎え、新たなトレーニングメニューを取り入れた。

高野氏といえば男子100mの山縣亮太、女子100m障害の寺田明日香、パラリンピアンでは片足義足のスプリンター・高桑早生のコーチ。車いすは専門外に思えるが「教わったことすべてが活きている。脇腹や背中の力をうまく使って漕げるようになった」と鈴木は振り返る。

そして、2月のトラックレースでは1500mで日本記録に当たる好タイムをたたき出し、自信を深めて今大会を迎えた。

気温は9.4度。湿度22%(車いすスタート時)。ビル風が吹く中でも、「メンタル的にもきつかったが、トレーニングはしてきた」。積み上げてきた自身のプロセスを自信に変えた。

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「トレーニングを継続してやってきた成果かな」と語る姿は、たくましかった。

鈴木は自身を「評価できる」と語る一方、コースレコードを更新できなかった悔しさも残るだろう
©TOKYO MARATHON FOUNDATION

パリではメダルを

集団を形成した序盤は、ロマンチュクに対して「何度もしかけることができた」と話し、手ごたえをつかんだ鈴木。

だが、パリでは記録ではなく、メダルが目標であり、「このしかけの数だけではパリでメダルを狙うためには足りない」と今夏の本番を見据えて語る。

石畳の難しい道も多くなるが「体幹を使って状態を安定させる技術を習得したい」。車いすマラソン日本のエース、鈴木の進化は止まらない。

表彰式ではメダルを胸に充実の表情を浮かべた
photo by Asuka Senaga

text by Asuka Senaga
key visual by AFLO SPORT

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