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世界で多発する異常気象! 私たちの生活への影響は

防災ニッポン

しかし、近年は大気中の温室効果ガス濃度の増加により、世界のほとんどの地域で気温が上昇していることも、異常気象をもたらす原因になっているといわれています。

例えば、大気の内部変動や海洋との相互作用によるズレが生じた場合、世界の平均気温そのものが上がっている状態だと、過去にないような高温が発生する確率が高くなります。

また、気温の上昇に伴い大気が含める水蒸気量が増えると、集中豪雨が起こりやすくなり、大雨による洪水や土砂災害なども増加します。

ここ数年で発生している世界の異常気象

ここでは、世界でどのような異常気象がどこで起こっているのか紹介します。以下の画像は気象庁が発表している2018年~2022年の各年の世界で発生した異常気象です。

・赤色:高温の異常気象
・水色:低温の異常気象
・緑色:多雨の異常気象
・黄色:少雨の異常気象
・危険マーク:気象災害

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引用:気象庁「2018年の異常気象」

引用:気象庁「2019年の異常気象」

引用:気象庁「2020年の異常気象」

引用:気象庁「2021年の異常気象」

引用:気象庁「2022年の異常気象」

各年とも、「高温(赤色)」が、必ず世界のどこかの広い範囲で発生していることがわかります。一方、低温(青色)は非常に少なく、あっても規模はかなり小さいという特徴があります。

また、危険マークは気象災害を示しますが、毎年のように世界のどこかで大雨や洪水などの気象災害が発生しています。

ここで注目したいポイントは、「多雨」がなくても大雨災害が多く発生していることです。

例えば、2018年~2021年にかけて、インドでは大雨災害が発生していますが、「多雨」はありません。これは、短時間の集中豪雨が増えていることを意味します。

集中豪雨は、短い時間で多量の雨が降って洪水や土砂災害をもたらす一方で、降る時間そのものは短いため、年間降水量には大きな影響を与えないのです。

年間の降水量に関係なく集中豪雨による災害が発生する可能性があるため、少雨傾向にあっても注意はしなければなりません。

高温の異常気象は毎年のように発生している

多発している異常気象の中でも、特に高温の異常気象は毎年のように広い範囲で発生しています。それに連動して、世界の平均気温の上昇も止まりません。

引用:気象庁「世界の年平均気温」

世界の平均気温の推移からも、気温の上昇率は年々高まっていることがわかります。

2023年は日本のみならず世界中で記録的な暑さとなりましたが、今後も地球温暖化の影響で記録を塗り替えてくる可能性が高いといえます。

今後起こりうることや今できること

毎年のように「異常気象」という言葉を見聞きすることもあって、異常気象の発生が普通になっている印象があるのではないでしょうか。特に気温については「過去最高気温の記録を更新」することが珍しくなくなり、慣れてしまっているかもしれません。

しかし、このまま気温が上がり続けると、やがて経験したことのない気候変動に直面し、集中豪雨や台風による気象災害の増加や、生態系の変化や伝染病などのリスクも高まります。

異常気象に備えるためには、気温や雨の降り方などの変化をいち早く察知し、備蓄品の用意やハザードマップのチェックなど、基本的な防災対策を徹底することが大切です。

夏は暑さが増すことによって熱中症のリスクが高まるため、暑さを避ける方法や熱中症対策についての正しい知識も持ちましょう。

また、異常気象と関係の深い地球温暖化を防止するために、1人1人が環境に興味を持ち、節電や節水を心がけたりするほか、近くに行くときは徒歩や自転車を使ったりするなどの省エネを意識することが重要です。

〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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