top_line

「エンタメウィーク」サービス終了のお知らせ

正しく恐れよう。南海トラフ地震・東海地震・南海地震・東南海地震の違いを紹介 

防災ニッポン

出典:気象庁「南海トラフ巨大地震の震度分布

出典:気象庁「南海トラフ巨大地震の津波高

広域で震度7クラスの地震が予想されているのは、東海地震・南海地震・東南海地震の三つの地震が連動して発生する可能性があるためです。この三つの地震が同時に起こることを三連動地震と呼ぶこともあります。

また、東海地震・南海地震・東南海地震の震源域よりもさらに広域の震源域で地震が連動して発生する南海トラフ巨大地震が起きる可能性もあり、最大でM9.1が想定されています。

下の表は南海トラフ地震で想定されている被害と東日本大震災で発生した被害との比較です。

広告の後にも続きます

参考:中部地方整備局「想定される最悪のケース東日本大震災を超える

上の表では南海トラフ地震でもっとも被害が大きい場合を想定しており、さまざまな条件が重なると東日本大震災の被害を大きく上回る可能性があることを示しています。

また高知県の土佐清水市や黒潮町では最大で34mの津波高が予想されており、これは10階建てビルに相当する高さです。

東京の震度と被害想定と首都直下地震との違い

南海トラフ地震では、東京都でも多くの地域で最大震度5強の揺れが想定されています。また、最大津波高は江東区で約2.48mが予想されており、島しょ部では30mを超える津波も想定されています。

また、東京では首都直下地震も想定されていますが、南海トラフ地震とはまったく異なる地震です。首都直下地震は関東を震源とするM7クラスの大地震で、30年以内に発生する確率は70%となっています。

首都直下地震も南海トラフ地震と同様に、さまざまな震源地・マグニチュードの予想をもとに被害想定が行われています。例えば、都心南部で直下地震が発生した場合の被害想定は下記の通りです。

・建物被害:194,431棟
・死者:6,148人
・最大震度:7(区部の約6割以上が震度6)
参考:東京都防災会議「首都直下地震等による東京の被害想定

このように、東京では南海トラフ地震以外に首都直下地震による大きな被害も予想されています。

南海トラフ地震に備えよう

南海トラフ地震は周期的に発生しており、30年以内に発生する確率が高い大地震です。
南海地震、東南海地震、東海地震、どの地震が発生するのかわかりません。三つの地震が同時に発生するかもしれませんし、一つの地震が起こり、遅れて他の地震が発生する可能性もあります。

また先に首都直下地震や他の大地震が発生する可能性もあるため、南海トラフ地震の被害想定が小さな地域でも普段の地震対策は重要です。

南海トラフ地震で想定されている死者の死因は、大半が「大津波」と「地震による建物の倒壊・火災」です。津波による浸水が予想されているエリアにお住まいの場合は、地震が発生したときに津波から避難できるように備えておく必要があります。また、建物の倒壊や火災から身を守るためにも、下記の対策を行いましょう。

・建物の耐震性の確保
・家具の固定
・感震ブレーカーの設置
・暖房器具周辺の整理整頓
・暖房器具の周辺に可燃物を置かない

地震が発生すると道路が寸断され、救助や救援物資がすぐに届かない可能性があります。一方自宅が津波や地震で被害を受けた場合は、避難所での生活が必要です。このようなケースも想定して、防災用の備蓄品も備えておきましょう。

〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

<関連する記事はこちら>
南海トラフ巨大地震は連続して起きるかも!「その時」どう行動する?

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(くらし)

ジャンル