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災害発生時は迅速な避難が重要!国土地理院の地図(地理院地図)を活用して避難経路を把握しよう

防災ニッポン

それでは、実際に地理院地図を使って避難経路を確認する方法や避難中の災害リスクを調べてみましょう。

自宅から避難場所までの経路を確認する

地理院地図では、自宅から避難場所までの経路確認や距離、高低差を調べることができます。具体的な手順は以下の通りです。

まずは国土地理院のWebページを開きましょう。スマホでも同様の手順で避難経路の確認ができます。確認の手順は以下のとおりです。

① ツールから断面図を選択
② 地図を選択
③ 災害伝承・避難場所を選択
④ 避難開始場所を選択
⑤ 避難場所まで辿る

少しわかりにくいので詳しく解説していきます。

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引用:国土地理院

上部にあるツール(スマホは[≡]→ツール)を選択して「断面図」を選択し、断面図の画面を開いたまま画面左上にある地図アイコンをクリックします。避難開始場所を選択して、避難所までの道のりを辿っていくと距離が表示されます

引用:国土地理院

避難所までの道のりをクリックしながら選択し最終地点でダブルクリックすると、以下のような標高差のマップが自動的に表示されます。

引用:国土地理院

この場合だと避難開始の標高が約5.7m、避難場所の標高が約10mであるため、高低差は4.3mとなります。約1.5kmの道のりで4.3mの起伏であれば、そこまで傾斜はきつくないため、荷物を抱えての避難もしやすいと判断できますが、距離が遠いため避難までには時間がかかる点にも注意しなければなりません。

また、高齢者の場合は距離が短くても高低差が激しいと避難が遅れる可能性もあるため、避難する人の状態も考慮しながら、最適な避難ルートを検討する必要があります。

道路状況によっては最寄りの避難場所にたどり着けない場合もあるため、避難場所を設定する場合はいくつか候補を挙げておきましょう。

避難経路の災害リスクを知る

災害の種類によっては避難する方が危険なケースもあります。地理院地図の地形分類(自然地形)を表示することで、避難経路の災害リスクが把握できます。

地形分類(自然地形)を表示する手順は以下の通りです。なお、スマホでも同じ手順で表示できます。

⑥ 地図を選択
⑦ 土地の成り立ち・土地利用を選択
⑧ 地形分類(ベクトルタイル提供実験)を選択
⑨ 地形分類(自然地形)を選択

引用:国土地理院

色ごとに地形が分けられており、色をクリックすると土地の特徴や自然災害のリスクを見ることができます。

例えば、図に示している薄緑のエリアは浅い谷になっているため、大雨の際には浸水リスクが高まります。よって、大雨災害時に避難する際は遠回りになってもできるだけ薄緑のエリアを避けた方が良いと判断できます。

自宅から避難場所までの地形をチェックし、どんな災害リスクがあるかを確認しておきましょう。

災害伝承碑をチェックしよう

災害伝承碑とは、過去に発生した自然災害の様子や被害の状況などが記載された石碑やモニュメントです。実際に被災した場所に建てられていることが多いため、その地域で過去にどのような災害が発生したかを知ることができます。

災害は同じ場所で繰り返し発生する場合が多いため、自分が住んでいるところで過去にどのような災害が発生したかを知ることは防災意識を高めるうえで効果的です。

2019年3月15日に国土地理院では新しい地図記号の「自然災害伝承碑」を発表し、2020年8月21日からは地図上でデータの提供を開始しています。

地理院地図で自然災害伝承碑を表示する方法は以下の通りです。なお、スマホでも同じ手順で表示できます。

① 地図を選択
② 災害伝承・避難場所を選択
③ 自然災害伝承碑を選択
④ 表示したい自然災害伝承碑の災害の種類を選択

引用:国土地理院

地図上に表示されるアイコンを選択すると、災害の名前や発生した日時などが表示されます。数百年前の災害に関する自然災害伝承碑もあるため、普段は災害が少ないエリアにお住まいの方もチェックしてみましょう。

〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

<関連する記事はこちら>
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