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今年の冬は暖冬? 暖冬時に注意すべき災害とは

防災ニッポン

日本海側に雪を降らせる雲は、大陸からの乾いた冷たい季節風と日本海の温かい海水温の温度差によって生じます。今年は夏が暑かったことや暖冬が予想されていることもあり、日本海の海水温は高い状態で推移することが予想されます。そのため、一時的に強い寒波が入り込んだときには、雪雲がいつも以上に発達し大雪になる可能性があります。

また、空気中に含まれる水蒸気の量は気温が高いほど多くなるため、雪が降るときの地表気温がギリギリ溶けない気温0℃前後だと大雪になりやすい特徴もあります。暖冬でもともとの気温が高いことから、雪が降るときは量が多くなりやすいことにも注意が必要です。

農作物への影響

暖冬は農作物にも大きな影響を与えます。気温が平年よりも高く農作物の生育が早まることで、植物の茎や枝が必要以上に間延びしたり、病気にかかったりするなどの被害が生じ、計画していた収穫量や品質の維持ができなくなる場合もあります。

また、暖冬といっても常に暖かいわけではなく、一時的に寒波が入るケースがほとんどです。暖冬の影響で成長が進んでいた農作物が一時的な寒波の影響を受けることにより、凍霜害が発生することもあります。

暖冬の影響を受けて生育不良になった野菜は値上がりし、消費者に大きな影響を与えることになります。

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一方、暖冬で農作物の生育が進み出荷量が増えることにより、一部の野菜は値崩れするケースもあるため、消費者にとっては悪いことばかりではありません。しかし、農家にとっては野菜を売っても利益がでず、資金繰りが悪化する可能性もあります。

暖冬の影響に備えるポイント

写真:PIXTA

ここでは、暖冬の影響に備えるポイントを紹介します。

天気の急激な変化に備える

暖冬で例年より暖かくても、常に気温が高いとは限りません。春のような陽気が続いていても急に例年並の厳しい寒さになったり、短時間で積雪が急増して生活や交通に大きな影響が出たりすることもあります。

暖冬だからと油断せず、天気予報をこまめにチェックし雪予報や気温が急激に下がる予報となっている場合は早めに大雪対策をおこないましょう。

車の装備を万全に

例年は車にスタッドレスタイヤを装着しているものの、雪の量が少ないと予想されている年はタイヤの交換をしないで乗り切ろうと考える方もいるかもしれません。しかし、暖冬でも積雪がないとは限りません。いつ雪が降っても安全に運転できるよう、スタッドレスタイヤを装着しましょう。また、急な積雪や凍結による立ち往生を防ぐためにタイヤチェーンも用意しておきたいところです。

タイヤチェーンは雪道や凍結路は得意ですが、路面に雪や凍結がないとチェーンが切れたりホイールに傷がつく可能性があります。そのため、雪道や凍結路はチェーンで進み、道路に乾燥した部分が見え始めたタイミングでチェーンを外してスタッドレスタイヤで走るのが理想です。

農作物の被害を防ぐ

暖冬による農作物への影響は野菜や果物の種類によって異なりますが、いつもより暖かいことで病害虫対策や剪定などの管理や対策が早めに必要となります。

一方、急激に冷え込むときは凍寒害防止が必要となるため、週間天気予報で気温の推移をチェックして早めに対策を行いましょう。

気温の予想は週間予報や長期予報を参考にしよう

暖冬時に発生する大雪や農作物の凍霜害が起こるリスクは、下記のような気象情報で把握できます。

週間天気予報:1週間先までの天気や気温がわかる
2週間気温予報:2週間先までの気温傾向がわかる
季節予報:1か月先〜3か月先、寒候期の大まかな気温傾向がわかる

暖冬と予想されていても、実際には大きく変わる可能性もあります。まずは季節予報で最新の気象情報を確認しましょう。次に2週間気温予報で気温が低く予想されている場合は、近いうちに訪れる寒さに注意・警戒します。そして、週間天気予報の雪予報や予想気温から具体的に備えるタイミングを判断しましょう。

〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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