シータの台詞は「ラピュタ帝国」のてん末を暗示していた? 画像は映画『天空の城ラピュタ』のワンシーン (C) 1986 Studio Ghibli

【画像】ラピュタのモデルが美しすぎ! 映画『天空の城ラピュタ』の理解を深める資料(4枚)

「ラピュタ帝国」が滅亡した理由は?

 映画『天空の城ラピュタ』では、作中世界にかつて存在していたという「ラピュタ帝国」が物語の大きなカギを握っていました。しかし劇中で詳細のすべては語られておらず、いまだに多くの謎を残しています。

 なかでもファンの間で長きにわたって議論されているのが、「なぜラピュタ帝国は滅んでしまったのか」というトピックです。

 ラピュタ帝国はロボット兵を始めとした超科学技術を有しており、都市部には立派な建造物が乱立していました。また多くの財宝が残されていたあたり、人びとが貧しい暮らしをしていたとはとても思えません。

 さらに当時は古代兵器を駆使して天空から地上を支配していたと言い伝えられていたため、他国の侵攻による滅亡という可能性は極めて低いはず。ではなぜラピュタ帝国は、歴史から姿を消してしまったのでしょうか。

 その理由について劇中では深く語られませんでしたが、小説版やムック本『ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』では、突如発生した原因不明の疫病に蝕まれた結果だと説明されています。

 そして生き延びた一部の民は、地上へと逃れて身を隠しながら生活を営み、かつての帝国は形だけが残されてしまいました。

 一国を滅ぼす原因となった疫病は、実を言うと「ささいな病気」だったとも記されています。すなわち、死に直結するような病ではなかったと推測することができ、ラピュタ帝国が誇る超テクノロジーなら簡単に克服できたようにも思えるでしょう。

 それでも国が滅んだ理由として、ネット上で囁かれているのが「ラピュタ人の体質」に問題があったとする説です。高度な科学技術が発達した文明によって十分な免疫能力が訓練されず、「ささいな病気」のまん延を防ぐ術が見出せなかったのかもしれません。

 また角度を変えてみると、ラピュタ帝国の空中都市という隔絶された環境が原因になったという見方もできます。限定された土地で長く暮らすには人口を制限する必要があるため、その結果近親の血が濃くなり、抵抗力を獲得できなかったのではないでしょうか。

 ちなみに「ラピュタ王」の血を受け継いでいるシータは、劇中終盤でムスカに対して「どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」と語り聞かせていました。

 今になって思えば、地上から離れて暮らしたがゆえに、疫病によって滅びたラピュタ帝国のてん末を暗示していたのかもしれません。