大場つぐみ&小畑健の大ヒット作『DEATH NOTE』1巻(集英社)

【画像】天才ふたりが生み出した数々のヒット作!(8枚)

任せておけば間違いなし! 最強のタッグ

「名コンビ」とは、お笑いやスポーツの分野に限ったことではありません。マンガ業界においても、原作と作画の名コンビによって紡がれた名作がたくさん存在しています。

 例えば高森朝雄(梶原一騎)原作の『あしたのジョー』(作画:ちばてつや)などは、有名でしょう。ストーリーももちろん素晴らしいですが、ちば先生のあの作画があってこその、大大傑作なのですから。さてこの分業システムは今もなおマンガ業界ではしっかり根づいており、同じコンビで複数のヒット作を手がけることもしばしばです。

 この記事では平成以降の少年マンガ界の「原作&作画」の最強コンビを、そのコンビネーションが堪能できる作品と一緒に振り返ります。

気づけばヒット作3本……大場つぐみ&小畑健コンビ

 平成を代表する原作&作画コンビといえば、「原作:大場つぐみ 作画:小畑健」かもしれません。字面の並びを見るだけですでに胸が高鳴ります。もともと小畑健先生は『ヒカルの碁』で、原作のほったゆみ先生との名コンビぶりを発揮していましたが、2003年『DEATH NOTE』、そして2008年『バクマン。』と大場つぐみ先生とのコンビで立て続けにヒットを飛ばし、さらに2015年には『プラチナエンド』でも高い評価を得て、いよいよ「最強コンビ」としての認知を確固たるものにしました。

「ジャンプフェスタ」で公開された『バクマン。』のネームでは、大場つぐみ先生のだいぶラフなタッチが、小畑先生の手でいかに変容を遂げるのかも確認できます。

『ダイ大』コンビ復活にテンションぶち上がり!三条陸&稲田浩司コンビ

「原作:三条陸 作画:稲田浩司」。この並びも90年代ジャンプファンなら、心踊らざるを得ないコンビでしょう。令和にまさかのアニメ復活を遂げた、普及の名作『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』を手がけたふたりなのですから。

『ダイの大冒険』では三条先生の大胆な原作アレンジと構成、稲田先生の少年マンガの王道をゆく力強いタッチ、まさに最強のコンビネーションが炸裂していました。

 連載終盤、編集部からもっと続けて欲しいという意向があり三条先生は一応ながら「冥界」を舞台にした構想を練っていたようなのですが、稲田先生の体力面を考慮した結果、私たちの知る最終回となったそうです。

 連載終了後、原作の三条陸先生はマンガ以外の原作や脚本も手がけていらっしゃいましたが、作画の稲田先生はというと読み切り作品の発表などはありましたが、長期連載はない状態が続きます。

 そして月日は流れ2002年。「月刊少年ジャンプ」にて『冒険王ビィト』でファン待望の「原作:三条陸 作画:稲田浩司」コンビが復活しました。『ビィト』はあっという間に人気を博し、こちらもアニメ化。途中長期休載をはさむものの、現在も「ジャンプSQ.RISE」で連載中です。



安童夕馬&朝基まさしの最初のヒット作『サイコメトラーEIJI』1巻(講談社)

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違う名義で多数のヒット作を持つ天才!

少年マンガのサスペンス最強コンビといえば…安童夕馬&朝基まさし

 少年マンガ原作者の頂点に君臨していると言っても過言ではないのが樹林伸先生です。複数の名義を使い分け、「天樹征丸」名義で『金田一少年の事件簿』『探偵学園Q』(作画:さとうふみや)、「亜樹直」名義で『サイコドクター』(作画:的場健)、『神の雫』(作画:オキモト・シュウ)、「青樹佑夜」名義で『GetBackers-奪還屋-』(作画:綾峰欄人)などなど、誰もが知る人気マンガの原作を手がけてきた超人です。

 そんな樹林伸先生が「安童夕馬」名義でコンビを組み、ヒット作を連発しているのが朝基まさし先生。「原作:安童夕馬 作画:朝基まさし」のタッグでこれまでに『サイコメトラーEIJI』『クニミツの政』『シバトラ』などを世に送り出し、そのどれもがドラマ化されるなど大ヒットを記録しています。登場人物たちのドライな狂気、ウェットな熱情を作画が見事に抽出する、繊細なコンビネーションを堪能することができるのです。

 よく、原作者と作画担当の関係はドライなものが多いという話を聞きます。密に打ち合わせるわけではなく、淡々とプロフェッショナルとして、自分の領分で仕事をこなしているのだと。「物語」のなかで行われるプロとプロの高度な対話は、常人には決してわからないのかもしれません。