次は、報われる恋をしてほしい

『海賊戦隊ゴーカイジャー』でデビューを果たしてから『HiGH&LOW』シリーズでの不良校のトップ・村山良樹を演じ、一躍有名になった山田裕貴さん。多くの実写作品に出演し、2021年に公開された『東京リベンジャーズ』では、忠実に再現されたドラケンの姿が話題になっていました。

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 ほかにも、2019年に放送された朝ドラ『なつぞら』では、さわやかな和菓子屋の息子や、2020年に放送された『ホームルーム』では、女子生徒を狂愛する教師など、好青年から狂人まで幅広くこなす実力派俳優です。

 恋愛ドラマや映画では報われないライバル役として見事な演技を披露し、視聴者の心をわしづかみにしています。カメレオン俳優とも呼ばれる山田裕貴さんの演技が切ない、少女マンガが原作の実写映画とドラマ作品を紹介します。

安堂拓海『ストロボ・エッジ』



著:咲坂伊緒『ストロボ・エッジ』第8巻(集英社)

 2015年に公開された映画『ストロボ・エッジ』は登場人物全員が片想いをしている、切ない学園ラブストーリーです。山田裕貴さんは原作ファンからの人気も高い安堂拓海役を務めました。キャスト発表当初は原作ファンから否定的な声があがるなか、山田裕貴さんは、役に合わせて1か月で12kgも減量を行ったそうです。その結果、映画公開後は称賛の声が多くあがっていました。

「蓮を想う気持ちなんか、俺が全部消してあげる」

 学園の王子様・蓮にフラれてしまった、ヒロイン・仁菜子をなぐさめるシーンで、多くの視聴者が胸キュンしたセリフです。まだ蓮を想っている仁菜子にそれでもいいから、という気持ちで自分の好意を伝える姿に、「こんなに想ってくれるイケメンがいて、うらやましい」というファンの声があがっていました。

山口賢二『となりの怪物くん』



著:ろびこ『となりの怪物くん』第4巻(講談社)

 2018年に公開された『となりの怪物くん』は、周りから怖がられている少年・春と、「ドライアイス」というあだ名をつけられた少女・雫の「初めて」がつまったラブストーリーです。山田裕貴さんは名門校に通うエリート学生でプライドが高い、山口賢二(通称:ヤマケン)を演じました。元々は自然な茶髪で撮影する予定でしたが、原作の土俵に立つために、原作通りの金髪で撮影に挑んだそうです。

「あんたに会いに来た」

 告白をするためにヤマケンが雫に会いに行ったシーンでのフレーズです。この後に続く「俺ほどの男は一生現れねえぞ」というセリフに画面の前で、多くの視聴者が悶絶したことでしょう。ヤマケンのかっこよすぎるツンデレに切なくなります。

黒井由伸(志賀拓巳)『ホリデイラブ-夫婦間恋愛-』



原作:こやまゆかり、マンガ:草壁エリザ『ホリデイラブ-夫婦間恋愛-』第1巻(マンガボックス)

 2018年にテレビ朝日系にて放送された、夫の不倫から始まるドロドロの愛憎劇を描いたドラマです。主人公・杏寿を誘惑する黒井由伸を演じた山田裕貴さん。はじめはだますために近づいた杏寿に惹かれてしまう姿は、多くの視聴者が胸を締め付けられました。

「2番目でもいいから、俺と付き合って欲しい」

 これはまだ、杏寿をだましているときのセリフです。このときはまだ杏寿へ惹かれていたわけではなかったかもしれません。しかし、もし好意がすでにあったらと想像すると切ない想いに心が痛みます。

池沢金之助『イタズラなKiss』



著:多田かおる『イタズラなKiss』第6巻(ミナトプロ/エムズ)

 2013年にフジテレビ系で放送された、ドラマ『イタズラなKiss Love in TOKYO』は、フラれた相手と同居することになってしまう、ひとつ屋根の下で起こるラブストーリーです。山田裕貴さんはヒロイン・琴子を一途に想う、不良少年・池沢金之助を演じました。関西弁を話す役柄だったため、イントネーションに苦戦することもあったようです。

「俺と結婚してください!」

 琴子に想い人がいることを知っていながらも、想いがあふれて伝えずにはいられなかった金之助の深い愛が感じられるセリフです。断られると分かっていながら言った、この言葉は相当の覚悟が必要だったのだろうな、と金之助の一途さに感動します。