子供たちの底知れない欲望が恐ろしい…

「りぼん」や「なかよし」などの少女マンガ誌は絵柄がかわいい恋愛ものが中心という印象が強いのではないでしょうか? しかし、「少女マンガ」と分類されるもののなかにも少し特殊な作品があります。その作品は、子供だった読者に衝撃を与え、大人になった現在でも忘れることができません。この記事では、子供の頃に少女マンガを読んでいた20代が特に共感する、トラウマになった連載作品を紹介します。

【画像】トラウマになりそうな「青年マンガ」 壮絶な過去を持つ、主人公たちの強烈な恨みが強烈すぎる(6枚)

ようこそ、4年2組へ『校舎の裏には天使が埋められている』



著:小山鹿梨子『校舎の裏には天使が埋められている』第1巻(講談社)

 赤ヶ瀬(あかがせ)小学校の4年2組に転校してきた、引っ込み思案な女の子・後堂理花。自分を変えたい、と思っていた理花に全てが完璧な美少女・蜂屋あいが声をかけてくれます。それをきっかけに仲良くなるふたりですが……。

「別冊フレンド」で連載されていましたが、青年マンガ並みのハードな描写が多い作品です。小学校4年生というまだ幼い子供たちの狂気じみた行動に鳥肌が立ちます。特にいじめの首謀者である、あいちゃんは少し離れたところでかわいらしくほほえんでいます。悪そうな表情をするのではなく、笑顔でニコニコしている描写は何を信じればいいのか分からなくなってしまうほど、恐怖を覚えたシーンです。

あなたの怨み、晴らします『地獄少女』



著:永遠幸『地獄少女』第1巻(講談社)

「真夜中の零時にだけアクセスできるウェブサイト『地獄通信』に怨みを書き込むと憎い相手を地獄に落としてくれる」という、世間をにぎわせている都市伝説のお話です。怨みを持った依頼人は、憎い相手の名前を書き込み、地獄少女が地獄に落としてくれます。しかし、依頼人も払わなければならない代償があったのです。

 アニメが原作の作品で、実写映画化や舞台化もされるほど人気が高く「なかよし」に連載されていた作品です。日本人形のような見た目の地獄少女・閻魔あいの手によって地獄に落とされます。子供ながらに人の怨みとは恐ろしいと痛感させられ、他人にしたことは返ってくる「因果応報」という言葉の意味がよく理解できる作品です。

人間が、1番怖い…『絶叫学級』



著:いしかわえみ『絶叫学級』第1巻(集英社)

 オムニバス形式の作品で、かわいらしい女の子たちが登場します。子供たちの欲望を叶えてくれる優しいお話、ではありません。身近すぎて当たり前だと思っていることのありがたさを実感できる作品です。子供心にはあまりにも怖かったマンガですが、考えさせられる内容もあり、読んでいて良かったと感じた作品でもあります。

「りぼん」に掲載されていた作品で、語り部である黄泉の、怖くなるほどの美しさが、読者の心をわしづかみにします。ゾッとする物語ばかりですが、読み進める手を止めたくない、と感じてしまうほどの中毒性があります。