卒園式の途中、ヒソヒソ話をするママ友たち(星田つまみさん提供)

【マンガ】ママ友から無視、コソコソ話? 不安と恐怖の一部始終 どんでん返しの結末とは 本編を読む

ママ友からも知らされず「どうして?」モヤモヤの展開に胃が痛い

 2020年3月、コロナ禍が深刻さを増す前の出来事です。息子の保育園の卒園式に参列した母は、ママ友たちの「この後行きます?」という会話を耳にしました。コロナの影響で式後の謝恩会は中止になり、ママ友たちとも距離ができ始めていた時期。「式後に何かあるん? 知らない……」そして式後、ママ友のSNSで自分以外のほぼ全員が集まった懇親会が開かれたことを知り……。

 星田つまみさん(@Ririshiku_Uruou)の実録マンガ『知らないうちに保育園の親たちが懇親会を催していた話』がTwitterで公開されました。人付き合いが苦手ながらも何人かのママ友といい関係を築けていると思っていたのに、自分の知らないところでみんなが集まっていた……。この時のモヤモヤした気持ちがつぶさに描かれています。はたして結末は……?

 読者からは「分かりすぎて泣ける」「途中胃がシクシクした」「オチ見るまで苦しかった」「ドロドロ系なのかと思いきやどんでん返しで良かった」「これはコロナ禍において身近に起きるかもしれない話」「誰も悪くなくて良かった」「やはりコミュニケーションは大事ですね」などの声があがりました。

 作者の星田つまみさんに、お話を聞きました。

ーー今回のエピソードをマンガに描こうと思ったきっかけを教えて下さい。

 ママ友トラブルや大人社会でのいじめというものを世間でも耳にしますが、当時はそれかと思い、ひとりで悶々と悩んでいたら、実は全然違いましたよ、ただのすれ違い&勘違いでしたよ、という珍事をお知らせできれば、という思いからです。

 また、お子さんのいるご家庭に、「お子さんは大事なプリントや手紙を完璧に親へ渡すことは難しいので、ご注意くださいね」という注意喚起の意味も込めてマンガにしました。

ーー「自分だけが知らされていない」という不安や恐怖はとても共感できます。当時のお気持ちを改めてお聞かせいただけますか?

 作中でも書きましたが、人付き合いがまったく得意ではないので、普段なら数人のママ友同士で集まっていることを知っても、そこに呼ばれていないことをねたむようなことはほぼなく、「当然ですよね」という気持ちです。しかし卒園式で「式後に何かある」となると、やっぱり気になって耳をそばだててしまいました。しかも比較的仲良くさせてもらってるふたりのママさん同士の会話だったので、すごく気になって悶々としました。

 SNSで懇親会を知った時は、正直ショックで、我が家以外に写っていないご家庭がないかと、湧き出た負の気持ちの逃げ場を探すような思いで懇親会の写真を見ていて、とてもつらかったです。「みんなどうやって連絡取り合ってこの場に集ったのだろう」「どうして我が家はこの懇親会のことを知らないのだろう」と、ショックと同じくらい、状況を「知りたい」気持ちになりました。



ママ友のSNSで、懇親会が開かれていたことを初めて知り…(星田つまみさん提供)

ーーラストは本当にほっとしました。今回の件で感じたこと、学んだことなどがあれば教えて下さい。

 一番の学びは、「大人にとってとても大事なプリントや手紙も、子供からしたら折り紙の足元にも及ばない価値だったりするので、帰宅後のカバンの中身は大人がちゃんと確認すべき」ということですね。逆にプリントや手紙を子供経由で渡す立場になる時は、前後でなんとか保護者に口頭確認を取って確実に渡るようにすべきと思いました。

 今回の件では、育休中の私の時短登園で他の保護者と送迎時間がまったく異なってしまったことと、コロナ感染予防の意識の違いもあるなかで大勢での集まりに対して積極的に参加の是非を伺える状況ではなかったことから、懇親会主催側のママさんには何の落ち度もなかったと思います。

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

 序盤中盤でだいぶハラハラドキドキさせてしまったようで、みなさん最後まで読んで下さるかどうか不安だったのですが、「最後まで読んでほっとした」「最後まで読んで良かった」と、多くの方からコメントをもらえてすごく安心しました。

「うちの子でも絶対あり得るので、帰宅後の子供の持ち物、必ず確認するようにします」といったコメントは、私の失敗談がもしかしたら誰かのお役に立てるのかもしれないな、という気がして、うれしくなりました。

ーーTwitterでは「6さい差兄弟日記」として、8歳と2歳の息子さんたちとの日々をマンガやイラストで多数投稿なさっています。今後の創作活動のご予定や、挑戦してみたいことなどについて教えて下さい。

 兄弟ふたりの育児マンガは、子供自身が嫌がらない限りは、これからも描いていこうと思っています。それと合わせて、今回の懇親会のマンガのように、子供が生まれてからのことやそれ以前のことなど、これまでの私の人生の中での出来事をコミックエッセイとして綴っていければ、と考えています。

 あと、料理を作ることも好きなので、いつか「年の差兄弟ごはんの作り分けレシピ」や「子供と作れるお家ご飯」をマンガで伝えるようなこともできれば、とぼんやり思っています。また、最近周囲からブログの開設をオススメしていただけるので、未知の世界なんですが勉強してみようかとも思っています。が、思うだけでなかなか腰が重いです。