エンジンオイルの種類の違いと見方|種類を変えてもOK?

エンジンオイルの種類

規格等級(グレード)

規格等級(グレード)はオイルが 「どの程度の負荷に耐えられるのか」などを明確にしたもの。エンジンオイルそのものの性能といえます。

エンジンオイルの品質に関する規格には、「API規格」「ILSAC(GF-5)規格」の2つがあります。

API規格

米国石油協会(API)とSAE、アメリカ材料試験協会(ASTM)の三者が定めた規格。「SN」「SM」「CN」などの英字2文字で表記されます。

ILSAC(GF-5)規格

日米の自動車工業会(ILSAC)が制定したもので、前述のAPI規格に省燃費性能を加えたものです。現在、最新のグレードは「GF-6」となっています。

JASO規格

日本自動車規格(Japanese Automobile Standards Organization)が制定したもので、四輪・二輪・ディーゼル用に分かれています。

粘度

粘度とは、エンジンオイルがどの温度で使用可能かどうかを示すものです。 気温によって最適なエンジンオイルの粘度は異なります。

ベースオイルの成分

規格や粘度のほか、エンジンオイルの性能に大きく関わってくるのがベースオイルです。ベースオイルとはエンジンオイルがどんな成分由来の油であるかをさしています。 

現在の主流は「高VI鉱油」。今後は、省燃費性の実現と幅広いユースを考慮している「セミ合成油」が主流になるかもしれません。

鉱物油

原油を蒸留、精製したエンジンオイルオイルで、低コストですが、低温流動性・酸化安定性・粘度温度特性などは他のオイルに比べると劣ります。

高VI鉱油

現在、ベースオイルの主流になっているもの。鉱物油の弱点を補っています。

フル合成油

エンジンオイルの主成分となる炭化水素を化学合成したもので、高い粘度指数と酸化安定性に優れた特徴を持っています。

スラッジの生成が少ないうえ、添加剤の効果も高い、最高品質のベースオイルですが、そのぶん価格が高くなります。 ハイパフォーマンスなエンジンに最適です。

ガソリン用とディーゼル用

ガソリンエンジン用かディーゼルエンジン用かでも、エンジンオイルの種類は分けられます。しかし、近年は両方に対応するものも多く販売されています。

この記事ではガソリンエンジン用のオイルについての解説をしています。ディーゼルエンジン用のオイルについてはこちらの記事をご覧ください。

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エンジンオイルの種類の見方

API規格のエンジンオイルの場合「5W-40 SN」などと表されます。各表記を分解して、意味と種類の見方をまとめました。

表記5W40SN意味低温時の粘度高温時の粘度適合燃料性能見方数字が小さいほど
低温で固まりにくい数字が大きいほど
高温時に固くなる先頭の文字が
S=ガソリン用
C=ディーゼル用アルファベットが
進むほど新しい
低温時の粘度|寒さへの耐性

「W」は「Winter(冬)」の頭文字。数字は小さいほど、低温での固まりにくさを示します。

0Wは-35℃、5Wは-30℃、10Wは-25℃まで使用できます。

高温時の粘度|オイルの柔らかさ

後半の数字は、オイルそのものの柔らかさ・固さを示します。数字が大きいほど固いオイルです。

燃料への適合

先頭の文字が「S」ならガソリンエンジン車、「C」ならディーゼルエンジン車用のエンジンオイルです。

オイルの性能&新しさ

アルファベットが進む=グレードが高くなるほど、オイルの性能が高くなります。現在はNまでありますが、Jより前はすでに製造販売されていません。

制定された年度によって、オイルの性能や特徴が異なります。(詳しくは後述します)

エンジンオイルのグレードの見方はこちらの記事で詳しく解説しています。

エンジンオイルのグレードの見方|最新規格はSP規格