地下鉄東西線「混雑と遅延解消の切り札」ついに使用開始へ!“昭和の駅”にピカピカの新ホームが出現

東京メトロ東西線で進められている、混雑緩和のための大規模改良工事。その柱の一つとなる南砂町駅の新たなホームが公開されました。

輸送力増強メニューの柱のひとつ「南砂町駅の新ホーム」が公開

 東京メトロ東西線の混雑緩和を主目的とした大規模改良工事が佳境を迎えています。同社は2024年5月7日、線路やホームの増設工事を進めている南砂町駅(東京都江東区)改良工事の現場を報道関係者に公開しました。今後、東西線は5月11日(土)と12日(日)に終日運休して線路の切り替え工事を行い、5月13日(月)から南砂町駅の新たなホームの供用を開始する予定です。

 東西線は、コロナ禍前の2017年には全国最悪の混雑率199%(朝ラッシュ時の木場→門前仲町)を記録する「超過密路線」として知られ、2000(平成12)年の西葛西駅ホーム拡幅を皮切りに、遅延や混雑への対策が進められてきました。

 

 主に各駅での改良工事や、全ドアをワイド化して乗り降りをしやすくした車両の導入などが実施されています。対策はハード面にとどまらず、メトロポイントクラブを活用したオフピーク通勤の推奨など、ソフト面にもおよびます。

 

 南砂町駅は現在、ホームが一つだけの「1面2線」の構造ですが、大規模改良工事によってホーム1面と線路1線が増設され、今後は「2面3線」となります。これにより、前の電車の乗降が長引いても、空いている線路に後続の列車を入れる「交互発着」ができるようになり、遅れの波及を最小限に抑えることが可能になります。

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線路切り替えは計3回も

 南砂町駅工事の最終完成までに、線路切り替えは計3回予定されており、第1回は2024年5月10日の終電後から5月13日の初電までの期間に行われます。

 この切り替えでは、中野方面行きの線路を現位置から南側に切り替え、分岐器(ポイント)なども新設するほか、事前に敷設した新設ホームの線路を本線に接続します。改札機や券売機の移設、出入口の変更も伴う大きな変更となります。5月7日時点では、新たなホームはほぼ完成しており、切り替えを待つのみといった状況でした。

 南砂町駅は1969年に開業し、駅構内は「昭和」の雰囲気が漂っています。そのなかにできた真新しいホームは非常に新鮮です。現在は中野方面と西船橋方面に向かう乗客は同じホームを利用することになりますが、今後は動線も分離されます。

 ただし、東京メトロによると工事の最終完成時期は2027年度を目標としていたものの、遅れる可能性があるとのこと。工期は今後精査していくとしています。

 南砂町以外でも、東西線の大規模改良工事として飯田橋~九段下間の折り返し設備整備、茅場町駅のホーム延伸が進められています。これら改良工事はコロナ禍の影響などを受け、一部が縮小・休止されましたが、輸送改善は着々と進んでいるようです。