3兄弟でワリを食うのは次男と相場は決まっている

テコ入れで1,800ccターボ+5速MT化、ドアミラーにもなってカッコよくなったコルディア

何かひっくり返したように新型車が降って湧いた三菱ですが、トレディア/コルディアそのものはしごく真っ当なクルマで、ミラージュIIセダン/ランサーフィオーレ拡大版へ1,400~1,600cc級エンジンを搭載して、1,600ccSOHCターボ車も設定。

ミラージュII/ランサーフィオーレは1,200〜1,400cc級でターボも1,400ccですし、ギャランΣ/エテルナΣは1,600〜2,000cc級ですから、本来ユーザーは被らないはずです。

ただ、販売現場ではどうだったのでしょうか?

「とにかく安くてよく走るクルマを売ってくれ」と言われればミラージュ/ランサーを売り、「とにかく一番いいクルマにオプション全部つけて持ってきて」と言われれば、ギャランΣ/エテルナΣか、スタリオンを売るとして。

「なんとなくちょうどいいのを売って」という客や、「一番良くもないですが、悪くもなくて、値段もソコソコです」というクルマを積極的に売るセールスはいたのでしょうか?

3兄弟や3姉妹なんかでも、しっかり者で期待される長男長女、甘やかされる三男三女の間で、次男次女がもっとも生き残りに危機感を抱く、などと言いますが…。

名車の名を受け継いだけれども

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売ってたことすら気づかれなかったのでは?という不人気

ミラージュIIセダンやランサーフィオーレが売れて、トレディアが売れなかった理由は断言しにくいが、こういう車を買うユーザーはトヨタ車や日産車を買うから…というのがもっともシックリくる

まず危機的状況に陥った…というより、ハナから売れなかったのは、4ドアセダンのトレディアで、一番堅実そうですが、そういうクルマが欲しい客は何度も言いますが、最初から三菱ディーラーに来ません。

3ドアクーペのトレディアは、ランサーセレステからの乗り換えがスタリオンではちと高い…というユーザーから多少は買い替え需要があったのですが、やはりすぐ尻すぼみ。

慌てて発売翌年の1983年には1,600ccターボを1,800ccターボへ更新し、4速MT×2段副変速機=8速MTとして使用可能な「スーパーシフト」から、ターボ車のみ5速MTへ。

それでも販売不振は目を覆うばかりで、現場では本当に売っているのか不思議なレベルで売れなくなります。

ついには1984年、4WDが追加された時点で、コルディアが1,800ccターボ+スーパーシフト(復活)+4WDだけ残してグレード整理され、トレディアも1,400ccエンジンを廃止してデザイン変更、車格アップを図るマイナーチェンジを敢行しますが…全く効果なし!

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