今から約20年以上前に登場し、今や完全にナイロンラインやフロロカーボンラインに変わって主流のラインとなった感がある「PEライン」。今や釣り初心者の方がいきなりPEラインを使うことも珍しいことではなくなりました。ただし、ナイロンラインやフロロカーボンラインと比べて、ちょっと癖のあるラインではあるので、その特性をちゃんと把握して使わないと、ライントラブル連発で釣りにならないことがあるラインでもあります。

そこで今回は「初心者向け!PEライン入門」と題して、ここ3年ほどいろいろな銘柄のPEラインを使ってきた経験をもとに、PEラインに関する基礎知識と特性に関する解説、個人的に釣り初心者の方にオススメしたいPEラインのタイプを紹介したいと思います。

PEラインとは?

分かりやすく説明すると、コンビニ袋と同じ素材である「ポリエチレン(PE)」でできた原糸を何本も編み込んで1本の糸状に加工したラインのこと。ナイロンラインやフロロカーボンラインとの大きな違いは、材質が不透明であり、単糸構造ではなく、組み紐のような編み込み構造であることです。
現在PEラインの主流となっているのは、比較的安価な「4本編みモデル」と高価な「8本編みモデル」の2種類でしょうか。


4本編みPEラインと8本編みPEライン断面の概念図(左が4本編み、右が8本編み)

PEラインは、ナイロンラインやフロロカーボンライン以上にメーカーごとにそれぞれ違いがあり、編み込み本数やライン表面に施されているコーティング処理、原糸以外にコンポジットされている素材によって、使用感や特性に大きな差があります。また、厳密な工業規格があるわけではないので、同じ号数表記のPEラインであっても、メーカーによってラインの太さが異なることが多い製品でもあります。

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PEラインのメリット

PEラインのメリットを箇条書きで挙げるとすれば、おもに以下のような感じでしょうか。

(1)同じ号数で、ナイロンラインやフロロカーボンラインの4倍以上の引っ張り強度(引張強度)を誇る(2)ラインテンションがかかっている状態であれば、感度に優れている(3)同じ引張強度で細いラインを使えるため、オフショアでの縦の釣りにおいては潮流の影響を受けにくい(4)ナイロンラインやフロロカーボンラインと比べて使用による劣化や経年劣化が緩やか。加えて吸水による劣化がほとんどない

とくにPEラインのメリットとして強調されるのは、(1)の「引張強度」と(2)の「感度のよさ」かと思われます。