エンジンオイルの交換時期については意見が分かれる

エンジンオイル
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エンジンオイルはエンジン内部の潤滑や冷却、清浄、密閉、防錆などさまざまな役割を持ち、エンジンが本来の性能を長期間発揮するために、その管理は重要なものとなります。その重要性は「人間でいえば血液」と例えられることがあるほど。

ただし、健康な人間の血液は体内を循環しながら古い血液から新しい血液に入れ替わるのに対し、エンジンオイルは交換されたときから次の交換があるまで劣化するいっぽうです。

さまざまな役割を持つエンジンオイルが劣化すると、エンジンは性能を発揮できなくなるほか、最悪の場合は車が自走不可となります。そのため、エンジンオイルの適切な管理は車の性能を長い期間維持するうえでとても重要です。

レーシングカーのような繊細な管理が求められる車や、旧車やクラシックカーといった製造から年数が経った車など特別な手入れが必要になる車はエンジンオイルについても厳重な管理が求めれられますが、いっぽうで街中で見かけるような普通の車ではどうでしょうか?

エンジンオイル交換の適切な時期については「メーカーが指定する時期に交換していれば問題ない」「メーカーが指定する時期よりも早い時期で交換しなければ壊れる」など、ユーザーごとに意見が割れています。

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整備業者は「ほとんどの車はシビアコンディション」として早めの交換を推奨

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ある自動車販売・整備業者は「自動車メーカーが指定するオイル交換の目安は、負荷がほとんどかからない状態で車を使った場合の数値で、実際にはほとんどの車が、街乗りでの頻繁なストップ&ゴーや、エアコンの使用、暖気なしの走行などによる負荷がかかるシビアコンディションにある」とし、それを踏まえて、メーカー指定よりも早いタイミングでオイル交換を推奨しているようです。

通勤・通学や買い物などで車を使用している場合は、十分な暖気運転が行われないことや一定速で1時間以上走行するような使い方でできていないため、これに基づけば、ほとんどの家庭にある自家用車はシビアコンディションにあると言えるでしょう。

また、車好きと言われる人たちの間でも、メーカー指定時期よりも早めの時期にオイル交換をすることが「常識」として根付いている傾向もあり、「早めにオイルを交換していても、抜いたオイルは真っ黒に汚れているのだから、オイル交換は早ければ早いほど良い」と考える人も少なくないようです。