■『動物農場』のテーマ|革命と支配

本作品は動物たちの思想に焦点が当てられ、物語が進行していく。動物たちだけで農場を管理し、食料や土地を用意していく過程が細かく描かれている。

そして人間の支配から開放された動物たちは、「本当に皆で手を取り足を取り、すべての動物が平等に暮らしていけるのか?」という観点が本作品で重要になる。

ズバリ、本作品のテーマは「革命と支配」だ。この「革命と支配」は人間に限らず、生物全体に備わっている本質であり、本作品の著者ジョージ・オーウェルは最大の「皮肉」を物語を通して体現している。

ハッピーエンドなのか、それともバッドエンドなのか、本作品は登場人物(動物)の視点によって大きく異なる。これ以上語るとネタバレになってしまうため、多くは控えておくが、終盤に起こる生物の本質が垣間見えるシーンでは、全身の毛穴が開いたようなゾワッとした衝撃を受けることとなる、とだけ言っておこう。

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■『動物農場』はどんな人に向いている?

本書『動物農場』は生物の本質を描き、最大の皮肉を展開する作品だ。それは、ジョージ・オーウェルによる古典であり、人間社会で起きてきた数々の革命・支配を理解できる。

小説を読んでゾワッと鳥肌が立つような衝撃を受けたい人、またはロシア革命など社会主義革命に興味がある人は、ぜひ本書『動物農場』を読んでみてほしい。

もしくは、人間の本質や黒い部分を知ってニタリと笑みを浮かべるような、若干サイコ気質な人にもおすすめだ。ちなみに筆者はこれに該当する。そんな人は、筆者のように「あー、読んでよかった」という感想が出てくるはずだ。


難しい言葉が使われていないため、読書が苦手な人でもスラスラ読める

本書は文字だけで構成される文学書であるが、208ページと比較的ページ数が少なく、1ページあたりの文字数が少ないため、読書に不慣れな人でも満足に読破することができる。寝る前の楽しみとしてもおすすめの一冊だ。