ロックナットとは?

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ロックナットとは緩み防止や盗難防止を目的として設計・製造されたナットです。

自動車ではホイールナットの1つとしてロックナットが使われることが多く、ホイール盗難対策に有効な手段の1つとして普及しています。

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ロックナット購入時に押さえておきたいポイント

ロックナットの装着先はハブボルトであり、同時にホイールのホイールナット部に接触します。つまりこれらの規格に一致するものを用意する必要があるということです。

ロックナットのサイズ

ロックナットのサイズは必ず購入前に確認しましょう。ロックナットにおけるサイズとは、次の要素に分けられます。

二面幅(HEX)

一般的にホイールナットは六角形で、その向かい合う辺と辺の間の距離は二面幅と呼ばれています。アルファベットで「HEX」と表現するのが一般的です。例えば21HEXとあれば二面幅が21mm、17HEXなら17mmとなります。

ネジ径

ロックナットはハブボルトへ締め付けられますので、ハブボルトのネジ径とロックナット側のネジ径は一致するのが前提です。例えばネジ径が12mmなら「M12」と表現します。

ネジ山のピッチ

ネジ径とあわせてネジ山のピッチも確認しましょう。ピッチとは隣り合うネジ山とネジ山の間の距離のことです。

ロックナットの全長

ロックナットの全長も合わせて確認しましょう。ネジ径やピッチが同じでも、実際にロックナットを装着した際にホイールの面からはみ出しだすことがあります。

今使っているホイールナットの全長を測り、ロックナットを装着した場合のクリアランスを計算するようにしましょう。

各自動車メーカー(日本)のホイールナットの規格

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国産自動車のホイールナットはM10、M12、M14のいずれかが主流です。軽自動車ならM10、車両サイズが大きい車種だとM14、それ以外はM12という感じです。

ネジ山のピッチは1.25mmまたは1.5mmのどちらと考えておけば良いでしょう。

ボルト径とネジ山ピッチが同じでも、ホイールナットの二面幅が異なることもあります。二面幅は大体17HEX、19HEX、21HEXの3つのうちどれかの場合がほとんどです。

取り付け座面の形状

ネジの規格と同様に正しく理解しておきたいのが取り付け座面の形状です。

ハブボルトの穴に合わせてホイールをはめこんでホイールナットを締めこんだ時、そのホイールの穴とホイールナットが合わさる部分があり、取り付け座面と呼ばれています。

取り付け座面の形状は、テーパー座、球面座、平面座の3種類が主流です。

テーパー座

テーパー形状の取り付け座面はテーパー座と呼ばれています。多くの国産自動車メーカーの純正ホイールやアフターパーツメーカーが販売するホイール(社外ホイール)の多くの取り付け座面にはテーパー座が主流です。

取り付け座面がテーパー形状(角度は約60度)のため、例えばホイール正面から取り付け座面を見ると手前から奥に向かって狭くなっているのがわかります。

球面座

球面座は取り付け座面が球面の形をしている種類です。ホンダは国産自動車の中で唯一、ホイール取り付け座面に球面座を採用しており、海外メーカーだとアウディの純正ホイールも球面座になっています。

同じ球面座のホイールでも球面の規格が異なる可能性があります。例えばホンダ車純正ホイールはR12(半径が12mm)ですが、ヨーロッパの自動車メーカーの純正ホイールにはR13やR14のものがあります。

平面座

取り付け座面が平面になっているタイプは平面座と呼ばれています。トヨタ車と三菱車の純正ホイールにこのタイプが多く、それ以外の国産メーカーではあまり耳にしません。

また、平面座ホイールを装着する際にはホイールとホイールナットの間にワッシャーが組み合わされます。

日本車の純正ホイールや社外ホイールを鑑みると、平面座はテーパー座ほど普及していないが球面座よりは普及しているとも解釈できます。

規格の合わないナットを使うとどうなる?

装着にあたり同規格のものを使用するのが大前提です。これを守らないと簡単に緩みやすくなったり、最悪のケースでは走行中にナットが、さらにはホイールが飛んでいく可能性もあります。

また、ホイールナットが緩んでいればホイールがブレて回転してハブボルトへの負担が増し、ハブボルトが折れる危険性も懸念されます。

取り付け座面やネジ径・ピッチなどの規格が同じものを必ず購入しましょう