時代に翻弄されたスバル初のスペシャリティクーペ

パッと見ではスバル版プレリュード?と言いたくなるくらいスタイリッシュではあった

現在のスバルは他の日本車にはない水平対向エンジン+シンメトリカルAWDを最大の武器としたプレミアム路線まっしぐら、小規模ながらも個性的なメーカーとして存在感を発揮していますが、1980年代まではハッキリ言えばドン臭い変わり者メーカーでした。

そんなスバルが初のスペシャリティクーペとして投入、時代の急激な変化に翻弄されつつもプレミアム路線への足がかりを作ったのが1985年発売の「アルシオーネ」。

当時の評価はともかく歴史的意義が大きいためか、MOBY編集部がAIに聞いた、「30〜50代のクルマ好きが気になる名車」にもノミネートされているスバル アルシオーネとは、どんなクルマだったのでしょうか。

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リトラでトンガッた、一見オシャレなスペシャリティクーペ

この腰高感が日本では嫌われたが、今なら樹脂パーツを組み、クロスオーバークーペとして売り込むと人気が出そう ©OlegMirabo/stock.adobe.com

レオーネをベースにスバル初のスペシャリティクーペに仕立てた「アルシオーネ」が発売された1985年当時、大衆車ベースのスペシャリティクーペといえばホンダの2代目プレリュード(1982年)がデートカーとして人気でしたし、同年にはトヨタが4代目セリカを発売。

それらのライバルに対し、アルシオーネはリトラクタブルヘッドライトの2+2クーペという共通点がありましたし、セリカGT-FOURより早く4WDも設定(ただし初期はフルタイム4WDではなく、パートタイム4WDの後輪駆動配分を電子制御するMP-Tというシステム)。

最上級グレードには3代目レオーネGT(1984年)で日本初採用となった、電子制御車高調整式エアサスを装備するなど、プレリュードにも負けない先進性を誇りました。

極めつけはCd値0.29という、空気抵抗が極めて少ないウェッジ・シェイプ(クサビ型)デザインで、全高が低い水平対向エンジンを強調するような低いボンネットなど、アルシオーネは決してライバルに負けない魅力を放っていた…はずでした。

実際、昔も今もスバルの主要市場である北米では「スバル XT」の名で販売されるやヒット作になるのですが、日本国内では当初から販売不振、初代レガシィ以前に四輪車メーカーとしての存続が危ぶまれた当時の、スバルを象徴するような存在になってしまったのです。

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