酒気帯び運転で捕まるとどんな処分が科せられる?

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行政処分と刑事処分が科される

酒気帯び運転と酒酔い運転のどちらで捕まった場合も、行政処分と刑事処分が科せられる点では共通しています。

そしてどちらも、取り締まりで検挙されるか、それとも交通事故で検挙されるかで罰則内容が変化する点は同じです。

飲酒運転をした運転手の同席者・種類提供者も罰則の対象になる

飲酒運転で検挙されるのは運転手だけではありません。

道路交通法の第65条(酒気帯び運転等の禁止)には、運転手だと知りながら酒類を提供すること、飲酒していると知っていたにも関わらずその人が運転する車に同乗することをしてはならないと記述されています。

つまり、一緒にお酒を飲んでいた人、飲酒運転が行われた車の同乗者、そして飲酒運転をするように指示をした人なども罰則対象になるのです。

また、道路交通法第103条(免許の取消し、停止等)の6項「重大違反唆し等をしたとき」に該当すると判断された場合、種類提供者・同乗者も免許取消・停止処分が科されます。この事例は既に確認されており(筆者調べ)、飲酒した人だけでなく見逃した人・看過した人にも責任が問われるようになっているのです。

筆者が聞いた話では、飲食店を利用した数名のグループのうち1人が飲酒運転で検挙されて、結果そのグループ全員が免許取り消しになった事例があります。

飲酒運転をした人物は代行タクシーで帰るからと友人たちに言っていたにも関わらず実際は飲酒運転をしていたようですが、上記の理由からグループ全員に責任があると判断されたのでしょう。

飲酒運転で検挙されたら、後日呼び出しは来る?

運転手が起こした飲酒運転についての調査をするために、警察や検察庁がその運転手を呼び出すことがあります。在宅で処分を待っている場合、あるいは10日以内の勾留を終えて身柄拘束から解放されて在宅事件として調査する場合です。

以下では酒気帯び運転で捕まった後の全体の流れを解説していますが、釈放されることなく勾留も最大20日間まで続けば、呼び出されることはないでしょう。

もちろん、呼び出された場合は応じて調査に協力してください。

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酒気帯び運転で捕まった後の流れ

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酒気帯び運転で逮捕されるということは、刑事事件を理由として逮捕されたことになります。つまり逮捕後には一般的な刑事事件と同じ過程が取られるわけです。酒気帯び運転で逮捕された後の流れを紹介します。

1.逮捕されて警察から事情聴取を受ける

先ほど説明したように飲酒運転という行為そのものが刑事処分の対象ですから、検挙されれば運転手は逮捕されます。そして逮捕から48時間以内に、逮捕された人(被疑者)は警察から検察へと書類送検されます。

2.勾留するか否かの決定がなされる

書類送検から24時間以内に、被疑者を勾留するかどうかの判断が下されます。勾留が必要だと判断すれば検察は勾留請求を行い、最終的に裁判官が決定を下す流れです。

この時、勾留の必要がないと判断されると釈放されますが、勾留が決定されると10日以内の身柄拘束となります。勾留の期間は最大で10日間延長されることもあるので、最大で20日間勾留されるというわけです。

ここで気になるのが、どのような目的で勾留が行われるのかというところ。被疑者が証拠を隠滅したり、逃走するのを防ぐためというのが一般的な認識です。

実際、10日以内の勾留を終えてその期間が延長されなければ、被疑者は釈放されて在宅事件として捜査が進められるようになっています。

3.起訴・不起訴の判断

検察はその事件を起訴・不起訴にするのか判断します。起訴が決まれば準備期間を経て裁判が行われて、判決が下されるという流れです。

懲役や禁錮といった実刑判決が下されることがあれば、執行猶予付きで実刑判決とならないこともありますし、罰金で済む場合もあります。

初犯では執行猶予がついたり罰金になることは多いようですが、飲酒運転で人身事故を起こした場合により厳しい判決が待っていることは、想像するに容易でしょう。

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