日本が誇るFFスポーツは多数思いつきますが、2000年代以降のハンドリングマシンやニュル世界最速を狙う高額なスペシャルモデルより、「誇り」という意味では1990年代に全盛期を迎えた、超高回転型エンジン搭載の軽快な高性能スポーツがふさわしいでしょう。

その中でも特筆すべきモデルを厳選せよとなると、どうしても外せないのが今回紹介するホンダの3台です。

これだけ軽快でパワフル、安価なホットモデルを手軽に買って振り回せた時代は、クルマ好きにとってまさに幸福そのもの、天国のような時代であり、登場から20年、30年を経た現在もなお、モータースポーツでは現役で活躍しています。

ホンダGA2 2代目シティCZ-i/CR-i

ホンダGA2 2代目シティ
©DCTMダイチャレ東北ミーティング

トールボーイスタイルで一斉を風靡した初代を完全否定、タイヤを四隅に置いた低いクラウチングスタイルのハッチバックのみで1986年に発売されました。特徴に欠けパッとしないように見えますが、実はとんでもなく痛快なFFスポーツです。

特に1988年追加のCZ-iおよび競技ベース車CR-iの、PGM-Fi仕様1.3リッターSOHC16バルブエンジンは吹け上がり最高、軽量低重心ボディの素晴らしい旋回性能に加速性能をプラス。

ジムカーナなど、低速域での加減速とコーナリングやターンを組み合わせたコースではランエボなど4WDターボすら食いかねず、小排気量国産FFスポーツとしては強すぎるため、出場できるイベントが限られるほどでした。

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ホンダEF8 CR-X SiR

ホンダEF8 CR-X SiR

自然吸気でリッター100馬力超を誇るホンダ自慢のDOHC VTECエンジン第1号「B16A」搭載車の中で、もっとも小型軽量・ショートホイールベースで旋回性能も抜群。1989年の発売から30年以上経った2021年現在でも、全日本ジムカーナなどではなお現役。

可変バルブ機構を備え、1990年代に全盛を迎えた超高回転型テンロクFFスポーツではもっとも息が長く、当時の同クラス車がフェードアウトする中、最強のEK9・初代シビックタイプRへまだまだ食らいつける実力を誇ります。

ジムカーナやストリートでの定番車種ですが、抜群の旋回性能とパワーでターマックラリーやFドリの世界でも大活躍する、万能マシンでした。