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高齢化で深刻な除雪問題。雪かきをスポーツ化した大学生のアイデアとは

パラサポWEB

「前回は高校の女子サッカー部の子たちがすごく綺麗な階段を作ってくれました。体育会系の部活なので、その工程も顧問の先生が『誰々はこっちやって』など指示を出したり、選手も声かけをしながらやっていて、まさにスポーツといった感じでした」

と、参加者の様子を同じく実行委員会の外﨑幹奈さんは振り返る。

スポ雪をきっかけに広がる共助の心

小樽の中学校でワークショップを行う、まちおこし研究会の皆さん

スポ雪の実行委員は、この活動を全国の自治体に広まるようSNSで拡散したり、雪かきの未来について話し合うシンポジウムを行うなどといったこともしている。

「昨年、小樽の中学校にお邪魔して、中学2年生の子どもたちに『キャリア教育・ふるさと教育(ワークショップ)』という特別授業をさせていただきました。そこでは、自分たちが住んでいる地域をもっと住みやすくする共助の取り組みを考えよう、などといったお話をさせてもらいましたが、授業後のアンケートでは、次回のスポ雪に参加したいなどといった回答もあって嬉しかったですね」(瀧沢さん)

またスポ雪の参加者の中には3年連続で参加してくれている中学生もいるそうだ。

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「スポ雪を実施する小樽の高齢者の方からは、競技が終わった後に『助かったよ、ありがとう』とか『学生さんが来ると活気があっていいね』など、嬉しそうに言葉をかけてもらったのが印象に残っています」

と、外﨑さんが言うように、普段は接点のない中学生から前向きな感想を貰ったり、高齢者から直接感謝の言葉をかけられたりすることは、自分たちの活動のモチベーションにも繋がっているという。まちおこし研究会のメンバーのひとり茅根光さんも「色々な方から『ありがとう』と感謝されることが多く、僕たちの活動って、すごく影響力があるんだなと感じました。特に中高生から、大学生になったら私たちも実行委員をやってみたいですと言われたときは、嬉しかったですね」と、雪スポのやりがいを語ってくれた。スポ雪による共助の心は、小樽で確実に広まっているようだ。

社会課題の解決手法のひとつとして「ゲームのように夢中にさせ、アクションを促す」、ゲーミフィケーションが注目されて久しいが、得点を競い合うスポーツはゲーム要素もあるため、人々を夢中にさせるのにうってつけだ。辛くて大変な雪かきを、みんなで楽しめるスポーツとして確立するという逆転の発想で解決するこの試み、ますます高齢化が進む日本において、注目の競技となりそうだ。

text by Kaori Hamanaka(Parasapo Lab)
写真提供:国際スポーツ雪かき選手権実行委員会

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