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一夜にしてアイスリンクがバスケコートに変身!国内初のフロアチェンジ機能を搭載した異色のアリーナとは

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コストや人的資源の効率的な活用という面においても優れた効果を発揮するこうした運営方法は、少子高齢化が進むこれからの地方都市のニーズに応える、持続可能なアリーナ施設のあり方を提示しているといえるだろう。

施設を拠点に地元独自の活力を生み出す、新しい「地域共生」の場へ

「FLAT HACHINOHE」を核に八戸駅周辺エリアを盛り上げようと、地域の方たちが「健康」と「運動」をテーマに開催した「HACHINOHE FESTIVAL」。写真はイベントのスタートであり、核にもなったラジオ体操の様子

また、スポーツ・音楽・各種イベントといった多種多様な使い方ができる施設の柔軟性と、新たな官民連携スキームによる地域に開かれた運営手法の掛け合わせは、施設のもつ求心力を使って、地域文化の多彩な魅力を引き出しながら、地域に独自の活力を生み出すことにも貢献している。

その一例が、八戸市の都市政策課が取りまとめるボランティア団体で、八戸駅周辺でのイベントの企画や立案などを行っている「八戸駅かいわいで盛り上がり隊」との活動だ。毎週水曜日になると、隊員たちは活動の核となる「FLAT HACHINOHE」に一堂に集まり、地域をどのようにして盛り上げていくか、熱い議論を交わしている。

「そのひとつの集大成として今年の9月に開催されたのが、『HACHINOHE FESTIVAL』です。八戸駅の西口と『FLAT HACHINOHE』を結ぶシンボルロードを初の歩行者天国にし、キッチンカーによる飲食ブースや制服が試着できるJR東日本の特設ブースなどの出展、地域の学校によるブラスバンド演奏やボッチャ体験、盆踊りといった催しを開催することで、お祭りのような賑わいをみんなで創出しました。『FLAT HACHINOHE』もキッズデーとして無料開放し、多くのお子さんたちに楽しんでご利用いただきました」(木村さん)

キッズ無料デーやラジオ体操、朝市といった市民の方たちが気軽に参加できるイベントも定期的に開催

それ以外にも、イベントのない日は通常のアイススケートリンクとして一般の方たちに開放したり、地元の方たちの健康を促すラジオ体操や地域の特産品を扱う朝市の会場としても活用されるなど、市民の方たちが気軽に利用できる地元のコミュニティスペースの役割も担っている。

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今後は「FLAT HACHINOHE」のすぐ近くに開業を予定している、東北最大級のトランポリンパークを備えた「AILERON WEST VILLAGE(エルロン ウェスト ビレッジ)」 と手を取り合いながら、八戸駅界隈の賑わい創りによりいっそう貢献し、地元の活力へとつなげていきたいと、木村さんはこれからの抱負を語る。

名前のとおり、八戸を愛するすべての人々が、立場を超え、分け隔てなく自由に集まるフラットな場であり、また、用途を限定せず、使いやすいフラットな可能性に満ちた場でもある「FLAT HACHINOHE」。スポーツ施設としてだけでなく、地域とともに持続的に成長していく、日本の新しい「地域共生」の場となっていくことを期待したい。

text by Jun Takayanagi(Parasapo Lab)
写真提供:FLAT HACHINOHE、八戸駅かいわいで盛り上がり隊

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