top_line

【完全無料で遊べるミニゲーム】
サクサク消せる爽快パズル「ガーデンテイルズ」

妊娠すると男性ホルモンが思春期の男性並み!? アスリートが妊娠中もトレーニングを続ける理由

パラサポWEB

パラノルディックスキーの阿部友里香が、2023年4月に第一子となる女児を出産した。特筆すべきは、妊娠中もトレーニングを続けたこと。オリンピック・パラリンピックを目指すトップアスリートの中には、妊娠をあきらめたり、先延ばしにしたりしている選手もいると聞く。では、阿部はなぜ妊娠することを選べたのか。また、妊娠期間をどう過ごしたのか。連載第1回目は、阿部の臨月の様子やサポート体制を紹介する。

出産もパラリンピックもあきらめない

パラノルディックスキーの阿部。2026年開催のミラノ・コルティナ大会で4大会目のパラリンピック出場を目指す

クロスカントリースキーとバイアスロンでパラリンピックに3大会連続で出場している現役アスリートの阿部は2021年3月に結婚。「以前から子どもが欲しいと思っていた」と言い、コロナ禍で開催された北京2022パラリンピック冬季競技大会の戦いを終えた後、夫婦で話し合い、子どもをもうけることを決意した。

「婦人科系の不調ですべてが思い通りに進んだわけではないですが、妊活を始めて半年後に子どもを授かることができました」

2022-23シーズンはレースに出場しなかったが、2026年開催のミラノ・コルティナ冬季パラリンピック出場をあきらめたわけではない。出産から半年後の国内レース復帰、約1年後に国際レースに出場する目標を定め、妊娠中もトレーニングを続けた。

インナーマッスルを鍛えるために通い始めた週2回のパーソナルトレーニングも続行。臨月になり「お腹が重い~!」と阿部

妊娠中もトレーニングを続けるという阿部の選択を後押ししたのが、阿部の主治医でもある、西別府病院スポーツ医学センター長の松田貴雄医師だ。

広告の後にも続きます

「松田先生は、女子サッカー日本代表のドクターとして帯同していた関係で、元サッカー女子日本代表の澤穂希さんの妊娠出産にもアドバイスをしていた方。先生からアメリカのサッカー選手は妊娠中のトレーニングをしているという話も聞いていたので、『出産することはアスリートにとって悪いことではない、むしろいいこともたくさんある』と知りました」(阿部)

スポーツトレーナーが見守る中でトレーニング。トレーニングジム「フィジオ」の新川加奈子トレーナーは「ジャンプ系は行わないなどは意識していますが、むやみに動きを制限するのではなく、その日の体調を見て進めています」

妊婦が運動をするといっても、せいぜいヨガやウォーキング、そしてマタニティスイミング程度。本格的なトレーニングなんてとんでもない、と思うのが一般的だろう。しかし、松田医師はこうしたイメージを真っ向から否定する。

「運動することで流産を心配する人がいるようですが、その原因のほとんどは染色体異常で、妊婦が走ったり転んだり、ちょっと無理したからといって起こるものではありません。実際、海外には妊娠中期まで妊娠に気づかずプレーしていた女性アスリートがいますし、日本でも昔は女性が出産直前まで働いていたことからも明らかです」(松田)

もちろん、妊娠期間を慎重に過ごすべき人もいる。しかし、それは全体の2.5%に過ぎず、その他の97.5%の人は、妊娠初期から積極的に体を動かすことに何の問題もない、と松田医師は説明する。

「ましてやスポーツが大好きな女性アスリートに運動を禁止すれば、それだけでストレスを感じるでしょうし、運動不足で体重が増えすぎて妊娠糖尿病などのリスクが上がる方が心配です」(松田)

何より、妊娠は女性アスリートにとって競技力アップの絶好のチャンスにもなる、と力を込める。

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(スポーツ)

ジャンル