通常の黒色塗料は、黒い顔料が均一に溶けており、それが平面的に塗り重ねられることで黒い塗装面が出来上がります。しかし「黒色無双」の場合、通常より粗めの顔料が塗膜にデコボコした立体的な構造を作り、その隙間に反射する光を閉じ込めて、より深い黒を実現しているのです。
塗装中にたびたび詰まらせてしまったのは、細い0.3mmのノズルを使ったのがミスだった、とめーちっさいさん。「粒子がここまで粗いとは思いませんでした。0.5mm以上が良いかと思われます」と、自身の経験を踏まえて語ってくれました。
また、これだけ粗い粒子の顔料だと、均一に混ざっている時間が短くなっているようです。このため「油断すると分離して、水だけを吹き付けるように」なってしまったのだとか。粒子が沈澱しやすい分、詰まりやすくもなりそうですね。
顔料が分離しやすい分、作業後の手入れである「うがい(溶剤のみを塗料カップに入れ、ノズルを指でふさいでエアを通し、経路を洗浄する行為)」も念入りに行ったとのこと。仕上がりは素晴らしいので、まめに攪拌する、太めのノズルを使うなど特性に留意して使えば強力な味方になってくれそうです。
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暗黒を表現できることから、めーちっさいさんは「真・黒色無双」を前提とした作品のアイデアも浮かんだ様子。今後作ってみたいものをうかがうと、次のように答えてくれました。
「黒猫が壺などの暗い部分に入ると闇に溶け込んで目だけが浮きあがるという可愛さを、この黒色無双なら再現できるのではないかと思っています。私自身の技術力が追い付けば是非フィギュアで再現したい光景です」
底知れない闇の中にポツンと光るつぶらな瞳。黒猫ならではという可愛さですね。今から実現されるのが楽しみです。
「呼んだ?」
例の世界一黒い塗料のおかげでどこでも猫を召喚できるようになりました。 pic.twitter.com/x5QPH9Sqvk
— めーちっさい (@meetissai) November 18, 2022
<記事化協力>
めーちっさいさん(@meetissai)
(咲村珠樹)