ちなみに、店員の接客・態度は、「また来たい」と思う理由として上位にランクインしていません(21.9%)。飲食店の場合、「接客・態度がいい」のは当たり前の前提であり、再来店したいと思う大きなきっかけにはならないということ。逆にここが疎かになっていると、悪印象を与えてしまいます。
一方、「また来たい」理由として多くの人から選ばれていた「雰囲気」は、「もう来たくない」と思う理由としても多く選ばれていました(43.3%)。これも、店員の接客・態度と密接な関係がありそうで、お店の雰囲気というものは、やはり店員がつくり出すものなのかもしれません。丁寧な口調、柔らかな所作、穏やかな振る舞い……。忙しい中で難しい局面もあるかもしれませんが、どの要素も「お客さんへの誠意」がベースにあります。
また、ネットで気軽に予約できるようになったこともあり、予約の取りづらさも「もう来たくない」と思う理由になるのではと仮定。「予約の取りにくさが、『もうこのお店に行きたくない』理由になるか」という質問も投げかけてみました。
これには、全体の56%が「ならない」と反応。続いて、「なる」と答えた人たちに、どのような予約方法・手順であればまた行きたいと思うかをヒアリングしました。1番多かったのが「当日予約を受け付けている」でした。確かに、比較的大人数の飲み会などは当日でもネット予約ができるお店があると助かるかもしれません。
お店からの気遣いは、お客さんはいつだってうれしい
店員の接客・態度に対してきちんと指導していたり、「雰囲気がいいね」と言われたりするお店でも、リピーターが増えない場合もあります。ここまでくると、お客さんの「また来たい」という気持ちをお店側がつくりだすのは難しいと思ってしまいがち。それでも、来店後の気遣いによって改善できる場合もあるのでは……と考えて「来店後にどんな心遣いがあると『またこのお店に来たい』と思いますか?」と聞いてみました。
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意見が多かった要望
新作メニューの案内 誕生月特典 再来客向けクーポン総じて「次回の来店メリットを案内すること」が重要そうです。退店後にお礼のメッセージが届くとうれしいと答えた人もいました。お店としてはやりすぎではないかと心配になりそうですが、これも「お客さんへの誠意」が伝わる対応方法の一つかもしれません。
お店が思っている以上に、お客さんの1回1回の外食の機会は価値があるものです。それに対して「誠意」で応えることができれば、お客さんが見出してくれている価値をさらに上げることができ、お客さんの「また来たい!」という気持ちを生み出すことができるのではないでしょうか。
イラスト松沢ゆきこ
企画編集株式会社 都恋堂