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一人酒と一人旅を愛する私が、近所・旅先を問わず通ってしまう店の条件

おなじみ

誰かと一緒に……となると、まずは予定を合わせなければいけません。それに、行くお店のジャンル、雰囲気、予算などについてある程度は同意を得ておかないと「今日は静かに飲みたい気分だったのに」とか「こんな高級なお店に?」」というように、店に入った瞬間から微妙な空気になることもあり得ます。

もちろん、予定を合わせ、お店について同意を得てでも食事を共にしたい相手、誰かと連れだって行きたい店もありますが、たまにでいいかなと思うのです。

1人で行くお店は「行きたい!」と思ったときに1人でスムーズに入れる、あるいは1人でも席が確保しやすいお店。そうでないと、通う以前に最初の一歩が踏み出せません。

では、どんな店が1人で入りやすいのかというと、大きく2つの条件があります。

外から中の様子が見える、混み過ぎないお店 1名からネット予約できるお店

具体的なお店を例に出させていただきつつ、語らせてください。

「外から中の様子が見える、混み過ぎないお店」ならふらっと立ち寄れる

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私は「金曜の夜」に1人でふらっと飲みにいくことは、まずありません。

混雑が予想される日は、席が空いていて予約が入っていなくても、「1人客はお断り」されてしまうことがあるんですよね。私の場合、土曜日は朝早くから山や温泉に出かけてしまうことが多いですし、最近は特に、混んでいるお店では飲みたくないので金曜日はさっさと帰宅します。

初めてのお店に入るときは、平日の早めの時間から入店して小一時間滞在し、帰る頃に大混雑していなければ「また来ようかな」と考えます。「平日夜なら予約なしでふらっと行っても入れるぐらいの混み具合」なことが重要なのです。

平日の仕事帰りに寄るお店は、自宅や職場、乗り換え駅から近い店を選ぶことになります。

そんなお店の一つPLAT STAND 酛プラットスタンドもとは、吉祥寺駅北口のサンロード商店街の雑居ビルの地下にあります。「たまたま通りかかった人が入ってくることはほぼない」立地にあるのですが、目立つところにあったらきっとありえないほど混んでしまうであろう、すばらしいお店です。

店の入口から中を覗くと混み具合が分かるので「入れそうだな」と思ったら中へ。何度も通っているお店でも「いっぱいです」と言われると心が折れるので……入る前に混み具合が見えるお店が好き。

PLAT STAND 酛はカウンター席中心のお店で、席と席の間隔も広く、ゆったりしています。

お酒は、ガラス扉の冷蔵庫から自分で選んでもいいし、「すっきり爽やか」「甘くないけど香りはフルーティ」など特徴でお願いすることもできます。注文したつまみに合うお酒を選んでもらうこともありますね。

65mlの小さなグラスでも提供があるので、あまり酔っ払いたくない平日の夜でも、何種類かのお酒を楽しめるのもうれしいです。

お酒もつまみも季節限定のメニューが多いので、季節を変えて何度でも訪れたくなります。あまり混み過ぎないでほしいので、本当は誰にも教えたくない大好きなお店です。

人気のお店が「1名からネット予約できる」と通いたくなる

週末など「絶対混んでるだろうな」というタイミング、予約がないと入れなそうな人気のお店であっても、「1名からネット予約」ができるなら「次からも予約して通おう」と思います。

実は、電話予約なら1人から予約を受けてくれるお店でも「ネット予約は2名から」ということが案外多いのです。「電話すれば予約できるかもしれないなら、電話すればいいじゃん!」と思われるかもしれませんが「1名からネット予約を受けてないということは、1人客はあまりウェルカムじゃないんだろうな……」と思ってしまうのです。

最近は1名からネット予約できるお店も増えつつあるので、じゃあそっちでいいかな、と。1人の外食は「楽」なことが至上なので、できる限り楽な方に流れてしまいますね。

1人でもいろいろ、飲んだり食べたりできると通いたくなる

1人でも入りやすいお店を見つけた後に悩ましく思えてくるのが「1人だと、あんまりいろいろ食べたり飲んだりできない」ことです。

私の酒量は週末だと日本酒を2合も飲めば十分、平日だと2合でもちょっと多いぐらい。なので「1合から」しか注文できないお店だと、1種類しか飲めなくてちょっと残念だなと思ったりします。

小さなグラスでオーダーできたり、利き酒セット、お試しセット的なメニューがあると「ここはまた来たいなあ」と思うことが多いです。

また、以下のようなサービスをしてくれるのもうれしいですね。

少なめの量で出してくれる 1人で頼めるコースがある

こちらについても、それぞれ私の好きなお店を例に出しつつ、紹介させてください。

「少なめの量で出してくれる」お店はありがたい

2人なら「メイン料理」と「ピザやパスタやご飯もの」を1品ずつ頼んでシェアすることができるのに、1人の場合、1品だけで食事が終わってしまいます。当たり前のことかもしれないですが、欲張りなのでなんだか釈然としない気持ちになるのです。

そんな中、1人でもいろいろ食べられるように「ハーフサイズ」など少なめのメニューを用意してくれているお店はありがたいです。

上野にある黒船亭という洋食屋さんは、大学生の頃から20年以上通っているお店です。ランチタイムには行列ができる人気店ですが、通し営業しているので16時ごろに行くと並ばずに入れるのです。

黒船亭のハヤシライスが大好きで、行くたびに食べてしまうのですが、ありがたいことにこちらのお店、カレーやハヤシライス、オムライスなどのご飯ものや、イカの墨煮などの単品メニューに「ハーフサイズ」が用意されているのです。

大好きなハヤシライスのハーフサイズと……

ロールキャベツやカニコロッケなどを1度に食べられる幸せ……。

好き過ぎて、東北新幹線や上越新幹線で東京に戻ってきたときに、つい、上野で下りて黒船亭に寄ってしまいます。

また「ハーフサイズ」や「Sサイズ」がメニューに載っていなくても、オーダーしたときに「これ、ちょっと量が多いんで半分ぐらいでお出ししましょうか?」と言ってくださるお店もあります。「安くておいしいのに量が多くていろいろ食べられない! 残念!」と思っていたお店でそう言っていただけると「また来たい!」という気持ちが高まりますね。

「1人で頼めるコース」があるお店もうれしい

1名から対応してくれるコース料理があるお店もうれしいです。単品オーダーだとシェアサイズで1皿の量が多いけれど、コースだと「少しずついろいろ」食べられるようになっているからです。

吉祥寺駅近くのフレンチレストラン「ブラッスリーエディブル」は、そんな「1名から対応してくれるコース料理」があるお店です。しかも、ネットからでも1名の予約ができます。

ブラッスリーエディブルのコース料理は、前菜やメインをいくつかのメニューから選択できる「プリフィックススタイル」なところも気に入っているポイントです。

この日の前菜は「オードブルの盛り合わせ」「魚介のアンチョビバターソテー」「オマール海老と帆立のサラダ」の3つから迷いに迷って「魚介のアンチョビバターソテー」を選択。

濃厚なアンチョビバター味にワインが進んでしまいます。グラスでいただけるワインの種類が多いのもうれしいですね。

前菜の後は「本日のポタージュスープ」の予定でしたが、お店の名物料理「トリュフのリゾット」に+440円で変更可能と聞き、変えてもらいました。

透明なフィルムに包まれたリゾットに、別添えのスライスされたトリュフを混ぜ合わせていただきます。リゾットにトリュフを混ぜた瞬間に香りがふわーっと広がり、食べる前から幸せな気持ちになりました。

メイン料理は5種類のメニューの中から迷いに迷って「黒毛和牛ホホ肉の赤ワインプレゼ」を。

フォークがスッと入るほど柔らかいホホ肉は当然赤ワインに合うし、パンに付けてソースもしっかりいただきました。でも、牛ハラミステーキも気になりますね……。

デザートは付かないコースでしたが「まだ食べられそうだしデザートも絶対おいしいはず」と、クレームブリュレを追加オーダー。予想どおりのおいしさで、大満足で食事を終えました。

こちらのお店を知ったきっかけは、コロナ禍で飲食店が休業していた時期に、店頭で販売していたフレンチのお惣菜を通りすがりに購入してみたことでした。「自宅で温め直したお惣菜がこんなにおいしいなんて、お店で出来たてを食べてみたい!」と強く思ったのです。

人気のお店ですが、1人からネット予約でき、コースでも、席だけの予約もできるので「1〜2品頼んでお酒中心で楽しむ」こともできます。コースのメイン料理などを数種類から選べるので「ステーキも気になるなあ。次はいつ来よう」などと、食べながら次回の計画を練ってしまったりも。

1人でじっくり料理とお酒を楽しむためのお店として完璧なので「近所にこんなお店を見つけられて良かった!」と思っています。

最近は、通っていても適度な距離感をキープしてくれる店が好き

20代の頃は、家の近所にあったスペインバルに週2ぐらい通って、お店のスタッフはもちろん、常連客同士で仲良くなって他のお店にも飲みに行ったり……みたいな楽しみ方もしていました。それはそれで本当に楽しいひとときだったと思います。

ですが今は、年齢を重ねたことやコロナ禍ということもあり、頻繁に同じ店に通い詰めることもなくなりました。また、居合わせた他のお客さんやお店の方と会話をするのも、少しおっくうになってしまいました。

以前は、1人で飲食店に行くとき「会話やコミュニケーション」を求めていた部分も多少はあったのですが、現在はほぼ完全に「おいしい料理とお酒」だけを求めているように思います。これが今だけなのか、今後も続くのかは分かりませんが……。

なので、私の場合は、何度も通っているお店で何度も顔を合わせているご主人に、行くたびに「はじめまして」な対応をされてもまったく問題ないし、そっちの方が気楽だなと思います。

JR仙台駅の駅ナカにすし通りというお寿司屋さんが何軒も集まっているエリアがあります。仙令鮨はその中でひときわ人気があって、行列の絶えない立ち食いの寿司店です。

鮮魚店直営で、何を食べてもとにかくおいしいし、安い!1貫ずつ注文できるのでいろいろ食べられる!お酒も、種類は多くないけれど地酒のいいものを置いている!と、人気があるのも当然の何拍子も揃ったお店です。

帰省や温泉旅で仙台の近くに来たら必ずこのお店に寄っていて、年に2〜3度のペースではありますが、もう10年以上通っています。最近はすぐ行列ができてしまうので、開店直後を狙って伺うことが多いです。

10年以上通っているので、昔からいる板前さんのことは顔だけは覚えていたのですが、立ち食いで回転の早いお店ですし、注文以外で会話をすることなんてありません。向こうもきっと、年に2回来るだけの私のことなんて覚えていないだろうと思っていたのですが……。

コロナ禍で行動制限もあり、先日約2年ぶりにこちらのお店に立ち寄ったところ、いつもの板前さんが一言だけ「お久しぶりです」と声をかけてくださいました。

「やっと来れました」と返し、それ以外は特に言葉を交わすことはなかったのですが、覚えてくれていたんだなあと少し、うれしくなりました。今の私には、そのぐらいがちょうどいいというか、そのぐらいで十分のようです。

旅先でも、好みの店には通いたい

ここまで都内で通っているお店をご紹介してきましたが、実を言うとここ数年は、都内よりも旅先で通っているお店の方が多いぐらいです。

旅先で通っているお店も「1人で入りやすくて」「1人でいろいろ食べれて」「適度な距離感で接してくれる」という基本的には都内のお店と同じ観点で選んでいます。

それに加えて、旅先ならではの観点もあります。新幹線や特急の待ち時間に立ち寄りやすいターミナル駅の近くにあることは絶対条件です。さらに「その土地ならでは」の食材を使った料理や郷土料理、地酒や地ビールなんかがいただければすばらしいですね。

それから土日を使って旅をすることが多いので「日曜に営業している」ことも重要でしょうか。

ちょっと条件が多くなってしまいましたが、最近は盛岡駅近くに2軒のすばらしいお店があって、その2軒をハシゴするのにハマっています。

1軒目はビアベース ベアレン 盛岡駅前です。盛岡の誇る醸造所「ベアレン」の直営レストランで、工場直送の樽生ビールを8種類と、岩手県産の食材を使った料理を楽しめます。

人気のお店ですが、土日祝日は15時から営業しているので、夕方前に入ればだいたい座れます。

料理は「Sサイズ」での提供があるのもうれしいポイント。好みのビールを小さいグラスで2杯ほどと、サラダを注文。フィッシュ&チップスなどいただいた後に向かう2軒目は……。

盛岡駅の駅ビル「フェザン」1階にある南部ビストロ うんめのすです。

お酒のラインナップがいつもすばらしくて、ガラスケースを眺めながら「あれも飲みたいこれも……」と唸っています……。

東北の地酒を中心に、季節限定のいいお酒を60mlの小さなグラスで提供してくれる本当にありがたいお店。

お刺身三点盛りもオーダーして三陸の海の幸をいただき、新幹線の時間ギリギリまで好みのお酒を味わって「また必ず来る……」と思いながら名残惜しく改札に向かうのです。

地方都市には今回紹介したお店以外にも、安くておいしく、てそこそこの混み具合のすばらしいお店がたくさんあり「このお店がうちの近所にあったらもっと通うのに!」と毎回思います。

しかし、これらのお店がそのまま近所にやってきたとしたら、きっと混み過ぎて1人ではあまり通えない店になってしまうでしょうから「遠くにあるけど、また行きたい!」と思っているぐらいがちょうどいいんでしょうね。

旅先で立ち寄った飲食店をブログで紹介しているので「同じ店に通うよりも新しい店を開拓した方がいいのでは?」と思うこともあります。1人でもいい気分で酒食を楽しめる店は案外少ないので、2回に1回は「お気に入りのあの店」を目指してしまうのですが……。

とは言え、初めてのお店に行くのも楽しいし、ここまで紹介してきたような「絶対また来る!」と思えるすばらしいお店に出合えたときの喜びは、例えようもありません。

そんなお店との出合いをこれからも求めていくし、通わずにいられない素敵なお店がもっと増えるといいなと思います。

【著者】

月山ももさん

登山と温泉を絡めた一人旅が好き。ブログ「山と温泉のきろく」では、温泉宿への宿泊記、日帰り入浴記、旅の食事や登山の記録を更新しています。2020年10月、著書『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』をKADOKAWAより上梓。

Twitter:@happy_dust
ブログ:山と温泉のきろく

編集:はてな編集部

 

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