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習慣化のプロが伝授する、運動習慣の“続かない”を“続く”にする方法

パラサポWEB

「ウェアに着替え外に出て1時間走ると言うことを運動だと思っていると、ウェアに着替えて外に出るエネルギーが出ない、雨が降っている、帰宅したら子どもに遊びをせがまれて、相手になっているうちに面倒くさくなって……など、なんでも完璧にと思っていると言い訳はいくらでもできます。つまり、一番大事なのは“初動”なので、そこを小さくベビーステップ(赤ちゃんの一歩)で始めましょうということです」

ベビーステップのポイントは、1時間ではハードルが高いから5分にする、ジョギングではなくウォーキングにするなど(1)ハードルは徹底的に下げる。それでは十分な効果が得られないのではないかと思うかも知れないが、ベビーステップは行動を起こし続けることに意味があるので、(2)物足りなくても続ける。そして、(3)必ず毎日続ける。この3つが守られれば、ストレスも少なくモチベーションにも火が付きやすいので習慣化が容易になるという。

習慣化には、目的や意味づけも重要

古川氏自身は、24時間営業している空手の道場の会員になっているそうだ。稽古の日は決まっているが、それ以外は24時間いつでも行ってミットを叩くなど体を動かすことができるのが自分に合っていると語る。

「私は、たとえばジムでマシーンを使って機械的に動くというのはダメで、空手道場でミットを叩くというのが性格的に合っているんです。またリモートワークで働いているので、いつでも行けるというのも都合が良い。ただ、それだけでは不十分なこともあって、私の感覚で言うと、運動への意味づけ、目的のようなものも習慣化には重要だと思います。私の場合1つめはまず睡眠。運動をするとよく眠れるという快感。睡眠の質が良くなるので、起きている間ずっと調子が良くて仕事もはかどります。すると、毎日の気持ちいいリズムができて幸福度があがるというのが2つめの目的です」

運動をすると幸福度があがるセロトニンやドーパミンが増えるということもさることながら、自分で決めたことを実行できた、自分の人生の舵を自分で握っているという「コントロール感」を得られることも、習慣化の目的として重要なのではないかと古川氏は語る。

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「会社に行けば上司からあれをやってこれをやってと指図され、電話がかかってきたり、トラブルに巻き込まれたりする。家に帰れば帰ったでまた、家族のことに振り回されて……と、人は一日のうちで、自分のことを自分でコントロールできているという“コントロール感”をどれだけ持つことができているでしょうか。運動を習慣として毎日行うことで、そんなコントロール感が上がることもモチベーションに繋がると思います」

運動により毎日の気持ちいいリズムができて幸福度があがることにも関係するが、古川氏の場合、運動をすると脳の想像力が爆発するような感覚が得られたのだという。つまり仕事もうまくいくようになったとき、運動の意味づけが変わり「仕事への投資」になる、運動も仕事のうちなのだということを実感したのだそうだ。

人生のコントロール感を握るために。よりよい生活、よりよい人生のための習慣化

最後に運動の習慣化をストレスの面から見てみよう。運動をきちんとしている人は、朝早起きをして、暴飲暴食もせず、睡眠もきちんと取れているというイメージがある。運動を習慣化したいという気持ちの裏には一日を自分の満足のいくように過ごす、つまり「コントロール感がほしい!」という叫びがあるのではないかと古川氏は言うのだ。

「お酒やギャンブル、ついつい夜遅くまでYouTubeを観てしまうとか、スイーツが止められないというのは、それらをストレスのはけ口にしているという側面がありますよね。だとしたら、ストレスをうまく癒やす方法を考えるべきであって、ただ闇雲にお酒をやめたい、夜更かしをやめたいと思っていても叶わないということなんです。そういう習慣をやめたいのなら、やめる方法を学ぶのではなく、ストレスを軽減する、自分のコントロール感を取り戻すことから始めるべきでしょう」

そこで話は運動に戻るというわけだ。運動は、ストレスに苛まれ、ついつい悪い習慣にそのはけ口を求めてしまう人の生活のバランスを整えることにも役立つ。運動の習慣化は、単に健康増進のためのノウハウではなく、もっと人生や、人の生き方にかかわってきそうだ。

「運動を習慣づけたい、早起きを習慣づけたいなどと言いますが、人が本当にしたいのは、何かを習慣化することというより、調子の良い1日を過ごすことなんです。人生を良いリズムで、良いシステムで生きることが根底にある。つまり私は、習慣化とはよりよい生活、よりよい人生のための手段のひとつとしてあるものだと思っています。夜、寝る前に1日を振り返ってみて、今日はよい1日だったと思うことができれば、クオリティ・オブ・ライフを向上させることは可能です。まずは1日1日積み重ねていくつもりで、習慣化を身につけていってほしいと思います」

お話を伺った日も、これから空手の道場へ行くと予定だと言う古川氏。すっきりとした笑顔から、良いリズムで日々を過ごされていることが窺えた。運動の習慣付けを考えることに始まって、人生のよいリズム、システム作りへ。習慣というものの意味、深さに気づかされた。

PROFILE 古川武士
習慣化コンサルティング株式会社代表取締役。
関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。5万人のビジネスパーソンの育成と1000人以上の個人コンサルティングの現場から「習慣化」が最も重要なテーマと考え、日本で唯一の習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。オリジナルの習慣化理論・技術をもとに、個人向けの習慣化講座、企業向けの行動変容・習慣化研修を行っている。著書は22冊100万部を超え、中国・韓国・台湾・ベトナム・タイでも広く翻訳されている。主な著書に、『30日で人生を変える「続ける」習慣』『新しい自分に生まれ変わる「やめる」習慣』(以上、日本実業出版社)、『性格4タイプ別習慣術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

text by Sadaie Reiko(Parasapo Lab)
photo by Shutterstock

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