間もなくクライマックスを迎える、アニメ『最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~』。主人公パーティーに加わった、刀使いで戦闘大好き! なマリウスを演じる岡本信彦さんに後半戦の見どころを伺いました!

ゲームでのタンクの魅力を再認識!

――『最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~』作品の印象はいかがでしたか?

岡本信彦(以下、岡本):

今回のマリウス役はオーディションだったのですが、まず漫画を見て最初に思ったのは洋テイストのキャラクターたちのなかに、和テイストのマリウスがいることにどういう意味合いがあるのだろう、ということ。日本のような国は出てこない架空のファンタジー世界の物語ですが、個性としてはすごく引き立ちますよね。もちろん「ござる」とかも言いません(笑)。言いそうな雰囲気なんですけど。そんななかでも、強いキャラクターだと思わせるものが出せたらいいなと思いながらオーディションに臨みました。

作品自体も、主人公のルードが勇者パーティーから追放されるところから始まります。そこも僕が知っている勇者像とはまた違うなあと驚きました。勇者やその仲間って、だいたいかっこよくて信念があって、素質があったり努力家だったり。そういう勇者ストーリーで育った僕にとっては、こういう視点もあるんだという衝撃を受けたのが作品の第一印象です。

しかも、主人公の役割がタンク! オンラインゲームが流行ってからタンクの知名度も上がったと思いますが、やっぱり主人公となると攻撃職が多いイメージがあったので。ルードの性格もあると思いますが、タンクという防御職を魅力的に魅せるのが本当に上手い! 作品に参加するうちに、タンクってこんなにかっこよくて重要な職業だったんだと再認識しました。

――岡本さんが演じるマリウスの役割についてはいかがでしょう?

岡本:

アバンシア迷宮の守護者なので、最初は敵キャラとして登場しました。戦闘が好きなキャラクターでもあるので、戦闘力の高いルードやそのパーティーの仲間たちとの相性もよかったのかな。マリウス視点で「このパーティー強いヤツが多くて楽しそう」という印象は最初からあったと思います。

けっこう人懐っこいキャラでもあるので、たったひとりで迷宮の守護をするのは寂しかったのではないかと(笑)。今ではルードたちと生活を共にしていますが、迷宮にいた頃よりパーティーに入ってからのほうが楽しそうですね。敵として出てきたときは色気があって飄々としていましたが、仲間になってからはマリウスのイメージが少し変わりました。

――最初の戦闘ではマリウスが魔物になりましたよね。

岡本:

オーディションの段階では全力で挑戦して、アフレコの前日もこう魔物になって、骸骨化したときはこういう声にしよう……とプランを立てていたのですが、いざ収録現場に行ったらSEの音になるということで……。音響監督へお任せすることになりました(笑)。

――マリウスを演じる際のポイントは?

岡本:

音響監督からは、最初に出てきたときはクールな感じで、ちょっと冷徹な部分があってもいいと。パーティーの一員になってからは明るくしていいというのは最初から言われていました。その分バランスは難しかったですが、飄々としつつも戦闘狂なのでうずうずしているところがあったり、ドライな面なんかも見せられればそれが違和感となって、魅力的に映ったらいいなと思って演じました。

ルードの仲間になってからはギャグシーンなんかでデフォルメ顔になったりもするので、かわいらしいマスコットキャラクター的な雰囲気を出せたらいいなと思っています。賑やか要員というか。マリウスによってパーティー全体が明るくなっていると思ってもらえているようで安心しました。

会話のテンポが速い作品なので、みんなとはけっこう食い気味に会話をすることが多いです。コロナ禍のような分散収録ではなく、マイクワークも元に戻りつつあったので、入れ替わり立ち代わりマイク前に立つ際は、どこのマイクに入るかがけっこう大変でしたね(笑)。

――マリウスのお芝居で大切にしたことは?

岡本:

これまでの経験です。飄々としているけれど、貫禄があって強そうなキャラクターを演じる際に大切にしているのは、余白。そういう謎な余白を作ることで、見てくれている人に想像する予知を残しておくことを意識しています。出し過ぎない感じですね。

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自分がゲームをする際は魔法使いを選びます

――小説と漫画があってのメディアミックスですが、アニメならではの見どころはどんなところでしょう?

岡本:

キャラクターの可愛らしさですね。マリウスはもちろん、女の子キャラたちもそれぞれ個性的なのですが、あのカラーバリエーションはアニメだからこそ分かりやすいのかなと思います。個人的には境遇含めてルナがお気に入りです。もちろん、アモンも可愛いんですけど。

女性キャラクターの活躍が多いですが、マリウスは恋敵ではないマスコットキャラ兼強くて頼もしいキャラクターみたいなポジションにいるのがいいと思います。男性視聴者的にも、単純にかっこいいキャラだと思ってもらえそうですし。これで急にマリウスがモテ始めたら大変なことになっちゃうと思うんですが、そういうのはないので(笑)。

ずるいなって思うのはルードですね(笑)。僕のなかでのタンクのイメージって、攻撃を食らったらHP回復薬を飲むか、仲間のヒーラーに回復してもらうのが基本。でも、ルードはダメージを返せるのが最強すぎる! ダメージを返せるのってずるくない!? って常に思ってましたし、それ以外にもルードには秘密があるので、実はめちゃくちゃ強いキャラクターでした! 最初にパーティー組んでた勇者、見る目なさすぎでしたね!(笑)

――ルードは盾役、マリウスは攻撃役ですが、岡本さんご自身はどちらの役職がより強いと思いますか?

岡本:

難しいですが、ゲームにおいては攻撃のほうが強いと思います。なぜなら、攻撃をしないと倒せないから。これはボスを倒すことが前提ですが、守ってばかりだと泥試合が続いてしまうので。

僕は将棋も好きなのですが、将棋も守ってばかりで攻撃をしないと相手の王様を詰ませられない。ゲームのうえでは攻撃が重要ですが、生きていくうえでは防御が大切だと思います! 健康第一!(笑)

それこそ、体力が9999あればいいなって思います。それならどんな攻撃でも微々たるダメージになりますし。体力1だと一瞬で終わってしまいますが……。

――『最強タンクの迷宮攻略』にはいろいろなPRGの職業が登場しますが、岡本さんご自身がなりたいファンタジーの職業は?

岡本:

僕は自分がゲームをするときは、魔法使いを選んでいます。子供の頃から風使いに憧れていて、その根幹は『幽☆遊☆白書』の風使いの陣が好きだったからなんですけど。もうひとつ、黒い炎が使えたら嬉しいなとも思っていて、そういう観点からいくと魔法使いが一番可能性のある職業なんじゃないかと……。

もし勇者が風使いだったり、黒い炎が出せるなら勇者を選択します!(笑) やりたいことありきの職業なので、最終的に魔法戦士になるようなことも多いです。