地上波初放送となる『ミラベルと魔法だらけの家』ポスタービジュアル (C)2021 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

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視聴者投票で選ばれた4作品の魅力は?

 ディズニー100周年を記念して、「金曜ロードショー」(日本テレビ)では2023年11月17日から4週連続でディズニー作品が放送されます。今回放送される『ミラベルと魔法だらけの家』(11月17日)、『ノートルダムの鐘』(11月24日)、『プリンセスと魔法のキス』(12月1日)、『ズートピア』(12月8日)の4作品は、視聴者投票によって選ばれた作品ということもあり、放送を楽しみにしているファンも多いのではないでしょうか。

 今回選ばれた4作品はディズニー作品のなかで比較的認知度が低い作品が多いようです。それにもかかわらず、これらの作品をおすすめにあげるディズニーファンが多く存在するのはなぜでしょうか。それぞれの作品の魅力をみてみましょう。

『ミラベルと魔法だらけの家』

 2021年に製作された『ミラベルと魔法だらけの家』は、今回の「金曜ロードショー」が地上波初放送となります。本作は、南米コロンビアを舞台に、魔法にあふれた家に暮らす少女ミラベルの活躍を描くミュージカルファンタジーです。

 ミラベルの家族である「マドリガル家」の人びとは、一定の年齢になる(ミラベルの場合は5歳)と、「カシータ」と呼ばれる魔法の家にあるドアの前に立ち、その扉を開けることで、花を咲かせたり天気を操ったりと、それぞれに異なる「魔法」の力を与えられました。ところがミラベルは、「マドリガル家」の血を引く人びとのなかで唯一、扉から魔法の力を与えられなかったのです。

 視聴者は、自分が魔法の力を持っていないことに葛藤しつつ、それでも家族のために奮闘するミラベルの姿に胸が熱くなることでしょう。では『ミラベルと魔法だらけの家』は、ディズニーファンからどんな評価を与えられているのでしょうか。

 ネット上では、「『家族』について深く考えさせられる」「物語のメッセージ性が強く、ストーリーをいくらでも掘り下げることができる」など、ストーリーの重厚さに魅力を感じたファンが多く見受けられました。

 本作では、それぞれ違った「魔法」=個性を持つ家族が、相手を思うがゆえにぶつかり苦悩する、家族ならではのすれ違いや愛の形が描かれます。そのため、親や子ども、祖父母など、作品を観る人の立場によって見え方が異なりそうな作品であり、それこそが『ミラベルと魔法だらけの家』の魅力につながっているのかもしれません。

『ノートルダムの鐘』



ディズニーファンにはたまらない! 『ノートルダムの鐘』MovieNEX アウターケース付き[期間限定] (C)2022 Disney

 1996年に製作された『ノートルダムの鐘』は、フランスの作家であるヴィクトル・ユゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』が原作です。醜い姿でありながらも優しい心持つ少年カジモドが、恋や友情を知りながら育ての親で悪徳判事のフロローに立ち向かっていく物語となっています。醜い見た目で孤独なカジモドと権力者であるフロローを通じて「誰が怪物で、誰が人間か?」と問いかけてくるディズニー作品では珍しい、シリアスで重厚なストーリーが魅力です。

 そして本作品において特筆すべきは、劇中に流れる音楽の素晴らしさでしょう。音楽を担当したのは『美女と野獣』や『リトルマーメイド』など、数々のディズニー作品で名曲を生み出したアラン・メンケンさんです。外の世界に憧れるカジモドが歌うナンバー「僕の願い(Out There)」や、エスメラルダが自分の悲しい生き方について歌う「ゴッド・ヘルプ(God Help The Outcasts)」など、多くの名曲が存在します。

 ほかにも、石丸幹二さんなど公開当時の劇団四季在籍メンバーが吹き替えを担当しており、日本語吹き替え版では「歌唱力、演技ともにトップレベル」などと高い支持を得ている作品です。

 SNS上では、『ノートルダムの鐘』について「観た人を後悔させない音楽!ディズニー屈指の作品だと思う」「言葉を超えた音楽の魅力を感じられる」などと高く評価する声が聞かれました。



新しいヒロイン像にハマる 画像は『プリンセスと魔法のキス』DVD(ウォルト・ディズニー・ジャパン)

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キャラクターの魅力と深いテーマを兼ね備えたディズニー作品たち

『プリンセスと魔法のキス』

 2009年に製作された『プリンセスと魔法のキス』は、ディズニー映画では初めてアフリカ系アメリカ人のプリンセス、ティアナが登場したことで注目を集めました。舞台はアメリカ南部のニューオリンズ、「自分のレストランを持つ」という夢に向かって頑張るティアナと、魔法でカエルの姿にされてしまった王子ナヴィーンが出会ったことで物語が進んでいきます。ナヴィーンの魔法を解くためにキスをしたものの、ティアナ自身もカエルになってしまい、2匹で魔法使いを捜す大冒険に出るハメになってしまうのです。

 ディズニープリンセスといえば、王子様と出会って恋に落ちるというイメージが強いかも知れません。ところが、ティアナは恋よりも自分の夢に向かってまっしぐらで、夢を叶えるために日々一生懸命働いていました。

 ティアナの自分自身の力で道を切り拓いていく姿に、多くの女性ファンから共感を集め、「ディズニープリンセスのなかでティアナがいちばん好き!」「今までとは少し違った新しいプリンセス像で素敵」など、ティアナへのラブコールが多くあがっています。

 また、ディズニープリンセスには王族の出身者が多いものの、ティアナはごく一般の女の子です。そういったところも、親しみを感じさせやすいのかもしれません。

『ズートピア』



癒やしと社会問題の共存に驚き 画像は『ズートピア』ビジュアル (C)2016 Disney

 最後は、2016年に公開され、翌2017年にはアカデミー賞を獲得した名作『ズートピア』です。

 動物たちが人間と同じように社会生活をする世界が描かれ、作中では種族間の差別をはじめとする社会問題が描かれています。重いテーマをはらんでいるものの、動物たちが社会生活を営んでいる姿がとてもユーモラスに描かれており、ディズニー作品のなかでも特に人気の高い作品といえるでしょう。

 そんな『ズートピア』では、ウサギの警察官ジュディ・ホップスと、アカギツネの詐欺師ニック・ワイルドがひょんなことからタッグを組み、近代都市「ズートピア」で起きたある事件の解決に挑みます。

 持ち前の正義感と負けず嫌いな性格で、まっすぐに突き進んでいくジュディと、皮肉屋で斜に構えているニックの正反対のコンビのやりとりが『ズートピア』の魅力のひとつ、と感じているファンが多いようです。

 そのほかにもSNS上では「夢を叶えた『その後』が描かれるなんて斬新!」「かわいい動物キャラと社会問題をうまく盛り込んでいる」など、『ズートピア』を高く評価するファンの声が挙がっています。

 かわいらしくて個性豊かな動物たちが繰り広げるストーリーと、現実世界にも潜んでいる社会問題について取り上げるというバランスの良さが、『ズートピア』が名作と呼ばれる理由なのかもしれません。