恥ずかしがり屋なヒーローが大活躍? 『SHY』ビジュアル (C)実樹ぶきみ(秋田書店)/SHY製作委員会

【ランキング】上位のメンツやばっ!豪華すぎる23年秋アニメで「期待度1位」に輝いたのは?

他クールなら覇権級!「何で誰も教えてくれなかったんですか!?」

『SPY×FAMILY Season 2』『葬送のフリーレン』など、話題作が目白押しの2023秋アニメですが、できが良いのは話題作だけではありません。「今期でなければ、覇権争いをしていたのでは……?」と思ってしまうほどの、見逃したくない作品がいくつも放送されています。ネット上で「まじでダークホース」「クオリティすげえ……」と評判の、覇権アニメに対抗できそうな秋アニメを4作品、みてみましょう。

『SHY』

 21世紀半ば頃、超人的な力を持つ「ヒーロー」たちの活躍により、地球から戦争はなくなりました。今のヒーローたちの使命は、地球に訪れた平和を守ることです。ただ、日本のヒーロー「シャイ」(CV:下地紫野)は文字通りの恥ずかしがり屋で、人前に出るのが苦手です。

 ある日、ジェットコースター事故から乗客たちを救ったシャイですが、そのうちひとりは重体となってしまいました。メディアはこの事態を重く取り上げ、SNSでもさまざまな意見が見られました。それを知り心が弱ったシャイは、変身できなくなり部屋に引きこもってしまいます。

『SHY』は、同名マンガ(作:実樹ぶきみ/秋田書店)を原作としたアニメです。一見ラブコメものに見える本作ですが、実は『僕のヒーローアカデミア』顔負けの熱いヒーローものです。ただし、まだ14歳で内気なシャイは、第1話からいきなり変身できなくなってしまいます。

 本作とほかのヒーロー作品との違いは、「心」に焦点が当たっていることでしょう。戦争がないこの世界では、敵対集団「アマラリルク」が他人の感情を暴走させ、怪物に変える騒ぎを起こしています。シャイはその目的を探る過程で、さまざまな人の心に触れていくのです。

 また、他国のヒーローもかなり個性豊かで、ツンデレに寝不足、酔っ払いがいるうえ、美しい統括すら、おやじギャグをかまします。彼らと交流していくなかで、少しずつ成長していくシャイをつい応援したくなる作品です。

『SHY』は、テレビ東京系6局ネットほかにて放送中です。「dアニメストア」「U-NEXT」「Amazonプライム・ビデオ」ほか配信サービスでも、順次配信されています。

『ミギとダリ』



独特な世界観にハマる (C)佐野菜見・KADOKAWA/ビーバーズ

 1990年2月、双子の少年ミギ(CV:堀江瞬)とダリ(CV:村瀬歩)は、神戸市北区オリゴン村の児童養護施設で暮らしていました。ある日ふたりは、穏やかな老夫婦に養子として引き取られます。

 しかし、ミギとダリは正体を隠し、老夫婦の前では交代でひとりの少年「秘鳥(ひとり)」を演じていたのです。部屋のテントのなかで不敵な笑みを浮かべるふたりの目的は、一体何なのでしょうか。

『ミギとダリ』は、同名マンガ(作:佐野菜見/KADOKAWA)を原作としたアニメです。ミステリー作品のようなシリアスさと、なんともいえないシュールさが同居している本作は、唯一無二の面白さで人気を得ています。

 ミギとダリは目的のため、作戦として園山夫婦宅へと引き取られました。しかし、双子だとバレないための策は「片方は段ボールに入って潜入」「片方がテーブルの下に入り食事をもらう」など、ツッコミどころしかありません。ふたりは無事、バレずに目的を達成できるのでしょうか。

 なお、ふたりを引き取った園山洋子(CV:三石琴乃)、ゴシップ大好きな家政婦のみっちゃん(CV:斉藤貴美子)など、登場人物も癖強かつ人気声優がそろっています。時にシュールで時に迫力のある、彼女たちの活躍にも注目です。

『ミギとダリ』は、TOKYO MXほかにて放送中です。「Amazonプライム・ビデオ」「dアニメストア」「U-NEXT」ほか配信サービスでも順次配信されています。



視聴には覚悟が必要かも… (C)2023 yoruhashi/マッグガーデン・「はめつのおうこく」製作委員会

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抜きんでた鬱展開アニメも「隠れ覇権」候補に

『はめつのおうこく』

 かつて魔女と人間は寄り添い合い、共に生きていたはずでした。しかし、リディア帝国が起こした超産業革命により、人間の科学文明は魔法を超える力を生みます。そして、魔女はその進歩に対する敵とみなされ、魔女狩りが行われるようになっていったのです。

 そんななか、旅をしていた魔女クロエ(CV:白石涼子)と人間の弟子アドニス(CV:石川界人)は、帝国に捕まってしまいます。皇帝ゲーテ(CV:斉藤次郎)の前に転送されたふたりは抵抗しますが、魔法光子抑制装置SDAM-2の前に、残酷な処分を下されました。

『はめつのおうこく』は、同名マンガ(作:yoruhashi/マッグガーデン)を原作としたアニメです。本作では、魔女と人間、魔法とスマホが共存しており、科学が魔法を無効化できる時代が描かれます。第1話から目を覆いたくなる鬱展開となりますが、その後も意表を突く展開が続きました。

 クロエとアドニスは、師弟関係でありながらお互いに好意を持っており、第1話でお互いの気持ちをほぼ通わせます。しかしその直後、ゲーテの前でアドニスは取り押さえられ、クロエは目を覆いたくなるような酷い「魔女狩り」にあってしまうのです。

 怒りで修羅と化したアドニスはそのまま収容され、本作の主題はこの10年後から始まり、脱出したアドニスと人間たちは、血で血を洗うような戦いを始めます。鬱アニメの金字塔『エルフェンリート』をほうふつとさせる救いのなさに、目が離せなくなる作品です。

『はめつのおうこく』は、ほかにて放送中です。「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「U-NEXT」ほか配信サービスでも順次配信されています。

『シャングリラ・フロンティア』



ゲーム好きにもすすめたい! (C)硬梨菜・不二涼介・講談社/「シャングリラ・フロンティア」製作委員会・MBS

 フルダイブ型VRゲームが主流となったこの時代、最新の映像技術にシステム面が追いついていない「クソゲー」が量産されていました。高校2年生の陽務楽郎(ひづとめ らくろう/CV:内田雄馬)は、そんなクソゲーを愛している変わり者です。

 楽郎はある日、クソゲーを探して入ったゲーム屋で、その対極ともいえる「神ゲー」『シャングリラ・フロンティア』に出会います。気が向いた楽郎は、クソゲーでつちかったゲームスキルと不屈の精神を武器に、神ゲー攻略を始めるのでした。

 アニメ『シャングリラ・フロンティア』は、同名小説(著:硬梨菜)が小説投稿サイト「小説家になろう」で人気を博し、書籍化を待たずしてマンガ化され、「クソゲーハンターが神ゲーを攻略する」という設定が秀逸です。

 VRゲームを題材にしているだけあって、作画もかなりぬるぬると動きます。制作会社は、『この素晴らしい世界に祝福を』『文豪ストレイドックス』などに制作協力してきたC2Cです。まるでゲームのプレイ画面を見ているかのような、ワクワク感が味わえます。

 本作では第1話冒頭クソゲーの「クソゲーたるゆえん」が語られるため、その理不尽さに耐えてきた楽郎の強さにも納得できます。ただしそこはさすが神ゲー、「シャンフロ」にはその上を行く敵やクエストが待ち受けています。

 また、クソゲー仲間と一緒に「シャンフロ」をプレイしたり、楽郎に思いを寄せる同級生の斎賀玲(さいが れい/CV:和氣あずみ)が実は凄腕プレイヤーだったりと、リアルの人間関係も見逃せません。楽郎と一緒に神ゲーを楽しみながら、武者震いできそうな作品です。

『シャングリラ・フロンティア』は、MBS/TBS系全国28局ネットにて放送中です。「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」ほか配信サービスでも、順次配信されています。

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 今回の4作品は、2023秋アニメの話をするなら外せない作品ばかりです。ぜひ第1話だけでもご視聴ください。「裏覇権」と呼ばれる意味が、きっと分かるはずです。

※配信状況は記事掲載時点のものです。