「ドラゴンクエスト メタリックモンスターズギャラリー スライム ~ロトブルーバージョン~」(スクウェア・エニックス)

【画像】すごッ!「ナノブロック」で再現されたスライムナイトや秀逸デザインモンスターたち(5枚)

「鑑賞」しがいがある完成度高すぎの鳥山デザインモンスター

 大人気RPG『ドラゴンクエスト』シリーズの人気の土台のひとつとなっているのが、漫画家・鳥山明先生がデザインした個性豊かなモンスターたちにあるといっても、過言ではないでしょう。例えば、本来は不定形でドロドロした姿であった「スライム」を、誰もが知る「ちょこん」とした国民的キャラクターにまで成長させたのは、なんといっても鳥山先生の超人的なデザインセンスによるものです。

 この記事ではまさに鳥山先生のセンスが爆発している、秀逸デザインのモンスターをネットの声も参照しながら、振り返りましょう。

小さい騎士がちょこんとまたがる「スライムナイト」の衝撃

「スライム」のデザイン性の高さは今述べた通りですが、そこからさらに派生してファンに衝撃を与えたのが『V』より登場した「スライムナイト」でしょう。スライムに全身を甲冑で覆った小さいナイトが跨っている、かっこよさと愛くるしさを見事に両立させたデザインです。

 スライム系の種類を増やすのであれば、スライムが騎士風の格好をしている「ナイトスライム」などを考案してしまいそうですが、スライム自体を乗り物にしてしまう発想が実に大胆です。今ではすっかり、「仲間モンスター」界のスターとなりました。

「けもの」系モンスターの新スタンダード「ももんじゃ」

「あばれザル」や、「サーベルウルフ」など、いわゆる「けもの」モデルのモンスターも、また鳥山先生の「デフォルメ能力」の高さがうかがえる傑作が多いのですが、『IV』から登場した「ももんじゃ」は、そのなかでも新たな可能性を示した秀逸デザインでしょう。

 一頭身でトサカつきのカモノハシ風のモンスター、といった実にシンプルな見た目ながらも、爪やくちばしから感じる「野性味」は単なる「マスコット」ではなく、紛れもなく「怪物」です。本当に必要最低限の要素だけ揃えながらも、一目で『ドラクエ』モンスターとわかる仕上がりでした。

「マシン」をどうして「モンスター」にできるのか? 「キラーマシン」という神デザ

 ファンの間でもモンスターデザインの「ひとつの到達点」と目されているのが、「キラーマシン」です。『II』での初登場時点で、その洗練されたフォルムからプレイヤーの心を鷲づかみにしました。『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』などでもメカニックデザインに定評のある鳥山先生でしたが、その才を遺憾なく発揮したのがこのモンスターでした。

 その名が示す通り感情なき「殺戮機械」なのですが、両手は「サーベル」と「ボウガン」という絶妙な「アナログ武器」を持っているのがぐっときます。さらに二足歩行でなく、底部が平な4本足という下半身部分も、全体のバランスはもちろんのこと、足場が不安定な場所での戦闘や探索のためのものであることが想像され、普段の動き方まで見えてくるのだから不思議です。

 デザインの面で人気の高いモンスターを簡単ながら振り返りましたが、本当にこれ以上手を加えられない「完成度」の高さには瞠目するばかりです。仲間にしたい、というよりも出くわしたい、そんな「冒険」を予感させるモンスター群、これからもまだまだ新作を期待してしまいます。