主人公・緋村剣心が描かれた『劇場版るろうに剣心 維新志士への鎮魂歌』 Blu-ray(アニプレックス)

【画像】死にすぎでは? 何度も復活した「ほぼ不死身」キャラたち(4枚)

「不殺」の理由が高評価のカギ?

 マンガやアニメの世界では、「敵でも殺さない」と不殺主義を貫き通す心優しい主人公が存在します。敵に対しても情が厚く、優しすぎる印象が強い主人公たちは、読者からどのような評価を受けているのでしょうか? この記事では、「不殺」を貫き通す主人公を3人ご紹介します。

※この記事では『ドラゴンボール』と『るろうに剣心』のキャラの生死に関わる記述があります。

 まずは『ドラゴンボール』で、ほとんど人を殺めない、孫悟空を紹介します。悟空はベジータとの初戦で、とどめを刺せる状態まで追い込んだものの、逃がしてしまいました。ベジータは、戦いは「命がけ」という考え方で倒した敵は容赦なく殺しますが、悟空にとって戦いはあくまで「試合」のようなイメージなのかもしれません。

 戦いに命をかけるほどではない、と考えているからこそ、「不殺」のキャラとして知られるようになったのでしょう。読者から、肯定的な声が多くネット上では、「強い敵とまた戦いたいという前向きな不殺だったのでは?」と評価されています。

 そのあと悟空とベジータが良きライバルとして切磋琢磨していくのも、悟空が「生かす」選択をしたおかげです。また作品全体としても、「冷酷に殺しまくるキャラクターもいるなかで、殺さない悟空に違和感を覚えないのが凄い」「悟空は殺すことに必要性を感じていないからな」という意見があがっていました。

 また、「不殺」といわれて、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の主人公・緋村剣心の顔を浮かべた人も多いのではないでしょうか? 剣心は過去に「人斬り抜刀斎」と呼ばれるほどの腕前と実績を持っていましたが、最愛の妻・雪代巴の死をきっかけに「不殺の誓い」を立てました。読者からは「元人斬りだからこそ、言葉の重みが違う」「信念を貫く姿が素敵」という声があがっていました。

 また「殺す・殺さない」の線引きで評価をされているのが『トリコ』です。主人公・トリコは大食いの美食家で、美食四天王のひとりでもあります。自らの信念として「食べないなら殺さない」を貫き通すトリコに「殺すかどうかの線引きがしっかりしているのが好き」という意見があがっていました。

 ただ優しさから「殺さない」人物は、「偽善だ」「ただ責任取りたくないだけだろ」などと、否定的な声もあがっているようです。しかし、今回紹介した3作品は「殺さない理由」が明確になっているため、読者からの高評価につながっているのかもしれません。