『ONE PIECE エピソード オブ ルフィ ~ハンドアイランドの冒険~』DVD(エイベックス・ピクチャーズ)

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愛が伝わるメッセージに感動!

 世界的人気マンガ『ONE PIECE』の「扉絵」には、さまざまな伏線が張られている「短期集中表紙連載」を筆頭に、いろいろな仕掛けが施されており、読者を楽しませてくれます。そんな手の込んだ扉絵のなかには、作者の尾田栄一郎先生がリスペクトする「週刊少年ジャンプ」の他作品の漫画家への、粋な計らいが仕掛けられた回もありました。

 まず最初に紹介するのは、519話「王の資質」の扉絵です。『ドラゴンボール』の最終話である519話と同じ話数の『ONE PIECE』の扉絵では、いつもと違う「ドラゴンボール風のスクリーントーン」が張られました。『ドラゴンボール』の作者・鳥山明先生を、尾田先生が敬愛しているのは有名な話です。

 扉絵で『ドラゴンボール』と似た背景を描くことで、尾田先生から鳥山先生への敬意が込められていたのかもしれません。このトーンに気付いた読者は多かったようで、尾田先生は『ワンピース』53巻のSBS(質問コーナー)でこのことを聞かれて、「自分的な印をつけておいただけ」と語っています。

 続いて、839話の扉絵では秋本治先生が40年に渡り休まず連載していた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』へのメッセージが描かれました。この839話は『こち亀』の最終回である「週刊少年ジャンプ」2016年42号に掲載されています。「”くそお世話になりました“」というタイトルとともに、『こち亀』主人公・両津勘吉の「懸賞金965011」の手配書の上に、ルフィが巨大な筆で両さんの眉毛に見立てた左右逆の「3」を描いている絵でした。

 この手配書を逆さから読み、「3」を数字の末尾に付けると、「1105963」という数字が出現。両さんの警察官という職業にかけた「110」番と、「5963」(ご苦労さん)となるのは、実に粋な工夫です。また、839話の「くそお世話になりました」のタイトルが、『ONE PIECE』本編の内容と特に矛盾していないのも、当時「すごい」と話題になりました。

 その他、766話「スマイル」の扉絵にも、粋な計らいが仕掛けられています。長年「週刊少年ジャンプ」で連載されていた、岸本斉史先生の人気マンガ『NARUTO』が全700話をもって最終回を迎えた際に、掲載されたものです。

 この扉絵には、飲食店らしき場所で『NARUTO』主人公・うずまきナルトと思しき人物(顔の部分はナミの身体で隠れている)が、ルフィの好物である肉を食べ、ルフィは頭にチョッパーを乗せながら、一緒にラーメン(ナルトの好物)を食べている様子が描かれています。ナルトの手前にいるナミのチャイナ服の柄には木の葉マーク、テーブルの下にいる狐の背中には「ナルト」のマークが描いてあり、随所に『NARUTO』への目くばせが散りばめられています。

 さらに、背景の壁には「とうふ」「おつまみ」など、さまざまなメニューの札が貼ってありました。そして、左からメニュー名の上の部分をつなげて読むと「ナ・ル・と・おつ・カレ・三・で・し・た(ナルトお疲れさんでした)」というメッセージが浮かび上がるのです。長年、一緒に「週刊少年ジャンプ」をけん引した人気作の作者同士で、同学年でもある岸本先生への尾田先生からのメッセージは、両方の作品のファンの間で話題になりました。