『機動戦士ガンダム』でランバ・ラルが搭乗し視聴者に強い印象を与えた青色のグフ。画像は「HGUC 1/144 MS-07B グフ」(BANDAI SPIRITS)

【画像】やっぱり「青」はカッコいい! ロボアニメの「ライバル機」たち(7枚)

「青」をメインにするとライバルになる?

 ロボットアニメで青といえば、主役機によく使われる色のひとつです。しかし、それ以上にライバル機で使われることが多い印象がありませんか?

 特にサンライズ制作のロボットアニメでは青い機体がライバル機として多く出ているイメージがあります。そこでいくつかのサンライズ制作のロボットアニメで登場した、青い機体を振り返ってみましょう。

 青い機体といえば、時系列で考えた場合『機動戦士ガンダム』(1979年)に登場した「グフ」がまず最初に思い浮かびます。

 ランバ・ラル大尉の乗った新型MS(モビルスーツ)グフは、それまで敵側にはザクしかいなかったことから大きなインパクトを与えました。加えて右腕の電磁ムチ「ヒート・ロッド」、左手指のマシンガンといった独自の兵装に、両肩の威嚇するようなスパイクの形状と、デザイン的にもザクよりも強いという印象があります。

 このグフから青い機体は強い……というイメージが与えられたのかもしれません。惜しむらくはグフの強さはランバ・ラル込みの強さであり、その後に登場するようになった量産型のグフたちはガンダムの前に雑魚となってしまったことです。

 この登場直後は強力なライバル機だったのに、中盤以降に大量投入されて弱体化して見える機体といえば、『聖戦士ダンバイン』(1983年)の「ビランビー」も同様でしょうか。

 主役機ダンバインの発展型で、一般人にも扱えるようにオーラ増幅器を搭載した新型オーラバトラーがビランビーです。その能力は旧式機をはるかに凌駕していて、初登場時にはバーン・バニングスがダンバイン、ダーナ・オシー、ドラムロと同時に戦って圧倒するという強さを見せつけました。

 しかし、徐々にオーラ力を増していった主人公ショウ・ザマの前に対応できず、後続の新型機にその座を奪われてしまいます。もっとも一般人の乗る機体としては優秀で、量産機が続々と戦線に投入されて最終回まで出番がありました。

 これらの機体と違って、『装甲騎兵ボトムズ』(1983年)に登場したPS(パーフェクトソルジャー)のイプシロン用に設計された専用機「ストライクドッグ」は、ワンオフ機として最後まで強敵ぶりを発揮しています。

 逆に主人公のキリコ・キュービィーが、量産型汎用機であるスコープドッグに乗っていたことから、従来のリアルロボットものとは逆の立場になっていました。左腕のアイアンクローが特徴的で、デザイン的にも強敵感を増しています。



『重戦機エルガイム』のライバル機・バッシュは、物語終盤まで活躍した。画像は「ROBOT魂 -ロボット魂- 〈SIDE HM〉 バッシュ」(BANDAI SPIRITS)

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時には頼もしい味方にもなる?

 人気のある青いライバル機として思い出す人も多いのが、『重戦機エルガイム』(1984年)に登場した「バッシュ」かと思います。デザイン画に描かれたバスターランチャーとともに印象に残る機体でしょう。

 主人公ダバ・マイロードのライバルであるギャブレット・ギャブレーが初めて乗ったA級HM(ヘビーメタル)で、後にネイ・モー・ハンの乗るオージェの護衛としてヘッケラー・マウザーとアントン・ランドーが乗って2機同時に出てきたときは、「勝てるのか?」と思うほどの強敵感がありました。

 この機体が優遇されていると思うのは、最終回での活躍です。それまで何機ものA級HMに乗ってきたギャブレーが、最後に乗った機体としてダバとともに真のポセイダルを倒すという功績を挙げました。

 この「ライバルから仲間になる」という黄金展開を果たした機体は他にもあります。『機甲界ガリアン』(1984年)に登場した機甲猟兵「ザウエル」。操縦者はジルムセン・ランベルです。

 鞭のようになるガリアンブレードに対抗するように、刀身が回転するドリルブレードを持っているほか、ガリアンと同様に足底にダッシュホイールを装備するなど、主役機のライバル機としてふさわしい同等の装備を持っていました。

 操縦者のランベルは正々堂々とした戦いを好み、一騎打ちに負けたことで捕虜になりますが、ガリアンのパイロットであるジョジョ(ジョルディ・ボーダー)の誠実さに心を打たれ、終盤は頼もしい味方として活躍しています。

 最後に、ライバルから味方……というより終盤は主人公ではないか? というほどの活躍を見せたのが、『機甲戦記ドラグナー』(1987年)に登場したMA(メタルアーマー)「ファルゲン」。パイロットは「ギガノスの蒼き鷹」と呼ばれるマイヨ・プラート大尉です。

 設定は諸説ありますが、究極のMAとして開発された機体で、バランス的にこれ以上の性能向上が単体では見込めないため、各性能に特化したドラグナーが開発されました。実はデザインはもともとの主役機案からの転用で、そういった面からも主役機である3機のドラグナーとは兄弟機にあたる存在かもしれません。

 前述したように終盤での活躍は主人公であるケーン・ワカバの存在を上回り、ドラグナーと共闘してラスボスであるドルチェノフの乗るギルガザムネと戦っています。余談ですが、ゲーム『Another Century’s Episode 3 THE FINAL』では、ドラグナー3機の性能を兼ね備えた「ファルゲンカスタム」というMAが登場していました。

 他にも印象的な青い機体はありますが、ご紹介はここまでといたしましょう。今回ご紹介した青い機体はどれも青一色にアクセントで赤や黄色が入ったパターンばかりです。やはり白が入ると、途端に主役機っぽく見えるからでしょうか?