海賊たちのテーマソングともいえる「ビンクスの酒」。そこには悲しき物語が隠されているのかも…?(画像:写真AC)

【音源】豪華過ぎ! ロジャー海賊団が歌う「ビンクスの酒」を聴く

「ビンクスの酒」を届けに行くのは一体誰なのか?

『ONE PIECE』の世界において、海賊たちのテーマソングともいえる「ビンクスの酒」。ファンの間でも歌詞の謎についてたびたび考察されてきましたが、そもそもこの唄は何を伝えるためのものだったのでしょうか。そこには、作中で最も注目を集めている「ジョイボーイ」が関係しているのかもしれません……。

 今回は、冒頭の歌詞「ビンクスの酒を 届けにゆくよ」に着目してみましょう。この唄がジョイボーイに関係しているのなら、「ジョイボーイが誰かに届けようとしている」「誰かがジョイボーイに届けようとしている」というふたつのパターンが考えられます。

 ジョイボーイといえば、初めて名前が登場したのが「魚人島編」。そこでは、彼が「空白の100年」に実在した地上の人物、魚人島への約束を破ってしまった、人魚姫に向けた謝罪文を残している、などの情報が明かされました。ジョイボーイと「ビンクスの酒」を絡めるなら、彼が魚人島に約束したのは、「ビンクスの酒」を届けることだったのではないでしょうか。

 しかし、お酒を届けるだけの約束を破って「ポーネグリフ」に謝罪文を残すのは、少し大げさ過ぎるかもしれませんね。もしかすると「ビンクスの酒」は、何か別のことを指しているのかも……?

 次に「誰かがジョイボーイに届けようとしている」というパターンを考えてみましょう。その際、浮かび上がるのは第三者の存在です。ジョイボーイは、未だ明かされていない「空白の100年」に大きく関わっている人物。そんな彼と交流のある第三者がいるならば、その人物は間違いなく物語の肝となるはず。「ビンクスの酒」の作曲者という可能性もありそうですね。

 おそらくジョイボーイは、世界を揺るがす「何か」を成し遂げようとした人物。ただ現在にはそれが伝わっていない、または実現できなかったと予想できます。もしも「ビンクスの酒」がジョイボーイに関係した唄だとすれば、陽気に見える歌詞の裏には悲しい物語が隠されているのかもしれません。

 かつて「空島編」で登場した絵本「うそつきノーランド」では、黄金郷の存在を涙ながらに語ったノーランドを笑顔で描いたというエピソードがありました。「ビンクスの酒を 届けにゆくよ」という歌詞も、実際にはお酒を届けられなかった無念を表現している……。そう考えると、「ビンクスの酒」がどことなく「エモい」唄に思えてこないでしょうか。

 これまでの伏線は最終章で回収されるのか。今後の『ONE PIECE』の展開に期待しましょう。