【Jeep photography】#3 フォトグラファー・大石隼土が撮る“雨に濡れた夜の都会とコマンダー”

フォトセッション企画の第3弾に登場するのは、RealStyleで数々の撮影を担当&Jeepフォトコンテストの審査員も務めるフォトグラファーの大石隼土氏。彼がコマンダーと共に繰り出したのは、雨に濡れた夜の東京だった。

Jeepと共にあるライフスタイルが多種多様なら、オーナーたちの目に映る姿もまた千差万別。そのフィルターを通して捉えたJeepには、相棒への想い入れや、偏愛に近いこだわりが色濃く反映されているだろう。【Jeep photography】では、さまざまな表情を見せるJeepを、プロのフォトグラファーが自由に撮影したフォトセッションをお届けする。第3回は、RealStyleで数々の撮影を担当し、Jeepフォトコンテストでは審査員も務めるフォトグラファーの大石隼土氏。『ジープ コマンダー(Jeep Commander)』とのフォトセッションで浮かび上がったものとは?

「夜」「雨」「都会」で見せる、コマンダーの新たな表情

「どういうテーマで撮影しようかと、実はけっこう直前まで考えていました。結果的に今回選んだのは、普段の撮影ではあまりない『夜』『雨』『都会』というシチュエーション。『夜』と『雨』という、写真を撮る人間であれば知っている相性の良さを効果的に入れつつ、コマンダーを『都会』の風景に溶け込ませて撮影しました」

 

これまでRealStyleというメディアを通して、さまざまなシチュエーションでさまざまなJeepを撮影してきた大石氏だが、基本的にメディアでの撮影は日中の晴れている環境で行うことが多い。よほど画的なこだわりや制約がない限りは夜の撮影は行わず、ましてや雨の中での撮影はアウトドアでの避けられない場面ぐらいだ。

それを逆手に取って楽しむかのように、大石氏が今回のフォトセッションで選んだ「夜」「雨」「都会」というシチュエーション。その中に佇み、走り出すコマンダーは、明らかにいつもと異なる表情を浮かべている。

「撮影した場所は、いわゆる東京の中心部から、少し離れて海の方まで。コマンダーをキレイに見せつつ、どうやってカッコ良く撮るのかを考えながらクルマを走らせました。雨が降っていると床面の光が反射して艶っぽさを出せますし、コマンダーの車体自体も雨が滴って風景との一体感があります。例えば、もし今回のようなスポットで晴れの日に撮影をしたら、輪郭がハッキリしすぎてしまいますし、今回のようなムードは出しづらいのかなと。ただ撮影に関しては、もちろん雨だと大変になるので、今回のフォトセッションという企画ならではのチャレンジですね」

 

今回のフォトセッションで撮影した中で、大石氏が特に気に入っているのは、手前に反射したアスファルト、背景には都会的な高層マンションが映るスポットの中で、コマンダーが存在感と艶感を放つ一枚。

「この写真を撮影したスポットは、どこで撮影しようか探しつつコマンダーで走りながら、偶然発見できたところ。東京らしい都会的な背景とともに撮れるスポットがこんなところにもあるのか、という場所自体の発見もありました。この撮影のあとに、たまたま同じスポットのところを日中に通りがかったら全く違う雰囲気だったので、『夜』で『雨』だったから撮れた一枚とも言えます。霧がかった感じの、foggyで幻想的な雰囲気も、個人的に好みですね」

普段の仕事ではなかなか撮れない、今回のような企画でないと撮らない──そんなチャレンジングな撮影を通して大石氏は、Jeepの新たな魅力を発見。それは多くのJeepオーナーにとってもヒントとなるだろう。

「オーナーの方々はJeepへの想い入れが強いですし、写真愛を持っている方も多い。それはフォトコンテストの審査員をさせていただいたときに思いましたし、オーナーの方々は実際にいい写真を撮るために、いろいろな場所にJeepを走らせますよね。そういう意味では、今回のフォトセッションは逆の発想。普段から見ている日常の中でも時間や天候を変えれば、今まで見たことのないJeepを撮ることができることを、自分自身も改めて感じました」

「結果的に、今回はコマンダーを撮れて良かった」と語る大石氏。それはこれまで数々のJeepの撮影をしてきた大石氏ですら、写真を撮ることで気づく魅力がまだまだ存在するという、Jeepの奥深さを物語っている。

「この企画でこれまで横山さんや安井さんが撮影してきたラングラーやグランドチェロキーは、Jeepを代表する車種ですし、もちろんカッコいい。ただし今回の『夜』『雨』『都会』というシチュエーションに関しては、撮影してみて結果的にコマンダーだからこそハマったような感覚がありました。撮影前は、コマンダーが似合う風景やシチュエーションは何だろうと、少し頭を悩ませましたが、今回の撮影でひとつの正解が見つかった気分です」

アウトドアでも、シティでも、時間や天候に応じたJeepならではの表情がある──それを発見し、撮影することこそが、フォトセッションの醍醐味。そしてオーナーの愛が深ければ深いほど、その愛に応えてくれる相棒がJeepであり、あなたの愛車にとっての「最高の一枚」は、もしかしたらごく身近に存在しているのかもしれない。

今回使用したクルマ

『ジープ コマンダー(Jeep Commander)』

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Text:ラスカル(NaNo.works)

Photos:大石 隼土

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