「さすがにデカすぎるだろ…」→まさかのバカ売れ!? 新型ピックアップトラック絶好調 一体何がいいのか?三菱「トライトン」

三菱の新型ピックアップトラック「トライトン」が絶好調。大きすぎるサイズもあってか、控えめだったメーカーの予測を大きく覆す結果となっています。しかも購買層は若者が中心。何が受け入れられているのでしょうか。

メーカーの控え目な予測はどこに? 絶好調「トライトン」

 三菱自動車が12年ぶりに日本へ再導入した1トンピックアップトラック「トライトン」が、話題となっています。トラックという特殊性と、乗用車としてはサイズが大きすぎることもあり、月販計画台数は200台と控えめ。しかし市場からの反響は高く、予約だけで約1300台を突破し、2月の発売から3月末時点で累計受注台数が2000台を超える好調なスタートを見せています。

 そもそも1トンピックアップトラックとはどんなクルマなのでしょうか。まずピックアップトラックとは、ボンネットを持つトラックというのが最大の特徴です。かつて日本でも様々な車種が存在しましたが、現在、日本メーカーのものはトヨタの「ハイラックス」と三菱「トライトン」の2車種だけ。さらに海外ブランドでは、米国ジープの「グラディエーター」だけとなっています。日本メーカーの2車種もタイ生産であるため、全車が輸入車です。

 なお、1トンは“最大積載量が1トン未満”という意味なので、1トンまで積めるということではありません。カタログ上の最大積載量はトライトンとハイラックスがともに500kg、グラディエーターが250kgとなっています。

 ピックアップトラックの魅力は、大きく3つあります。まずはタフな性能です。トラックは、未舗装路の走破性や高い耐久性、様々な用途に対応する多様性などの観点から頑丈なフレーム構造となっています。さらに未舗装路や悪路を走るための4WDシステムも採用しているため、クロカン顔負けの高い走破性も備えています。それを裏付けるように、新興国で展開されるPPV(パッセンジャーピックアップビークル)というタイプのクルマは、まさにピックアップトラックをベースとしたSUVなのです。

 もうひとつが、荷台の便利さです。荷台ならば、水濡れや泥汚れのあるアイテムも気にせずガンガン積み込むことができます。もちろん、荷台は汚れてしまいますが、まるまる水洗いすることだって可能。これがセダンのトランクやSUVのラゲッジスペースでは、そうはいきません。またキャビンから完全に独立しているため、乗員への影響も気にする必要もないのです。

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「トラックらしい」と「トラックらしからぬ」が同居?

 そして最後がファッション性の高さでしょう。時代は空前のSUVブームであり、男女問わず、力強いスタイルが好まれる傾向にあります。さらにあらゆる製品で本物志向が強まったことも後押しとなり、SUVの中でも軽乗用車のジムニーから高級車のランドクルーザーまで、本格的な悪路走破性能を備えた車種が幅広く人気となっています。

 そもそもピックアップトラックは実用車であることから、ハードな仕事にも耐えるタフさや、車両感覚を掴みやすい形状といったデザインにも、高い機能性が追求されています。それが結果的に、機能的かつ力強いデザインにもつながっているのです。

 新型トライトンの強みは、そんなピックアップトラックの強みを持ちながら、SUVライクな走りと快適性を兼ね備えていることが挙げられます。走りの良さの秘密が、あの名車「パジェロ」から受け継がれる「スーパーセレクト4WD II」にあります。ライバルとなるハイラックスが、路面状況に合わせて切り替えるパートタイム4WDに対して、トライトンは常時4WDでの走行が可能なフルタイム4WDなので、いかなるシーンでも4WDの恩恵をうけることができます。

 その走りは、驚異的なもので、滑りやすい未舗装路の斜面を楽々と登ることできるほど。さらにトラックであるため、後輪側のサスペンションは、重量物の積載にも耐えられるリーフスプリングを採用していますが、そこにも一工夫があります。乗り心地を重視した仕様を開発することで、乗員の快適性も大きく高めました。

 このため、運転感覚は、ほとんどSUVであり、ミラーに映る荷台で“トラック”であることを思い出させるほど。さらに最新型車であるため、先進の安全運転支援機能も搭載されています。