北陸新幹線「巨大な要塞駅」ついに本格稼働 当面の終着駅、実は開業直前に“ちょっと改良”していた!

SNSなどでは建設中の段階から「要塞駅」と言われていた敦賀駅。いよいよ本格稼働となりましたが、どのような特徴があるのでしょうか。JRは開業直前に、少し改良を加えていました。

特に重要な位置づけの敦賀駅

 2024年3月16日、北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業。当面の終着駅となる敦賀駅は、関西・名古屋方面の特急と新幹線との乗り換え駅になりました。同駅は今回の延伸区間でも特に重要な位置づけの駅で、特徴が多い駅となります。

 敦賀駅の特徴は、何といってもその巨大さ。駅舎は整備新幹線としては最大規模で、高さは約37mもあります。駅舎上部には、敦賀市の鳥である「ゆりかもめ」が羽ばたく姿をイメージした屋根が設けられているのも印象的です。

 

 その大きさのため、SNSでは建設中の段階から「まるで要塞」といった声があがっていました。駅舎が高くなった理由は、その北側で新幹線の線路が国道8号のバイパス道路を跨ぐ必要があったためです。

 

 新幹線のりばは、ホームが2つある島式2面4線。新幹線のりばは3階、乗り換えコンコースは2階、在来線特急のりばは1階です。関西・名古屋方面と北陸を鉄道で行き来する場合、敦賀駅で在来線特急から新幹線への乗り換えが発生することになりました。

 

 先述のように新幹線のりばと在来線特急のりばの階が異なるため、同一ホーム上での乗り換えとはなりません。さらに、在来線普通列車が発着するホームは新幹線駅舎から60m離れた場所にあり、「動く歩道」を備えた乗換跨線橋で結ばれる形となります。

 駅で乗り換える利用者を捌くため、敦賀駅には「垂直移動」インフラが多いことも特徴です。構内には、エスカレーター26基、エレベーター6基を設置。エレベーターは20人乗りのビッグサイズです。改札は計19レーンも設置されています。

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関係者総出で「乗り換えシミュレーション」した結果

 JR西日本は当初、新幹線から在来線特急への乗り換え時間を約8分と見込んでいましたが、2024年1月に関係者で実施した乗り換えシミュレーションで、想定以上に乗り換え時間を要することが判明したため、新たな取り組みを実施しています。

 

 新幹線から在来線特急への乗り換えは、新幹線「つるぎ」から関西方面行きの「サンダーバード」、名古屋方面行きの「しらさぎ」に向かう乗客が同時に移動するケースがあり、動線が混雑する懸念がありました。

 

 シミュレーション結果を踏まえ、特急「しらさぎ」の停車位置は当初より米原方に移し、2階コンコースから1階在来線ホームへの動線を分散。案内サインも充実させています。また、コンコースには北陸地方の観光情報などを表示する大型3面LEDビジョンを設置し、「楽しんで乗り換えられる」取り組みも実施されています。

 特急「サンダーバード」と北陸新幹線の乗り換えは、北陸新幹線の敦賀~新大阪間が開業するまで続くことになります。