歴代シルビアの最高傑作は、優れたデザインのデートカー

「アートフォース」のキャッチコピーで登場、先代S12とは全く異なる美しさで若者を魅了した名車、S13シルビア

国産小型FRスポーツクーペの代表格として、最後のS15型が生産を終えて20年以上たった今でも復活待望論がある日産の「シルビア」。

古くは1960年代にダットサン フェアレデイの姉妹車だった初代に始まる長い歴史を持ちますが、復活が待たれるイメージとしてはやはり、1988年にモデルチェンジした5代目のS13型でしょう。

パッとせずに終わった4代目S12から大逆転を図るべく、面目を一新したS13シルビアは走りよりまずデザインで語られるデートカーでした…MOBY編集部がAIに聞いた、「30~50代のクルマ好きが興味を持つクルマ」にノミネートされている歴代シルビアの代表作とは。

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「若い二人のカーライフをオシャレに演出」がコンセプト

プレリュードやセリカと異なりFR車なので、カップルの間を太いセンターコンソールが隔ててはいたものの、それがかえって「下心を感じさせない、紳士のデートカー」として良かったのかも?

1988年5月17日、日産が発表した新型シルビア(5代目S13)のプレスリリースでまず強調されたのは、こんなコンセプトでした。

「若い男女(ふたり)のカーライフをお洒落に演出する、センスが良く、走りが楽しい2ドアスタイリッシュ・クーペ」

結果的に販売が振るわず、「お洒落でもない、センスが感じられない、走りが楽しいとも言えない」と先代シルビア…4代目S12を一刀両断したとも言えて、それを一挙挽回すべく入魂のモデルチェンジを断行したわけです…ただし想いは熱くともクールに、華麗に。

プレスリリースの続きにも、「エレガント」「斬新」「グラマラス」と言った言葉が何度も踊り、それまでホンダ プレリュードやトヨタ セリカに惨敗を喫していた、2リッター級スペシャリティクーペ…すなわち「若者向けデートカー試乗」の奪回へ力を入れています。

クルマそのものは、2代目S10型以来の手法…すなわち昔のまだ後輪駆動だったサニーやバイオレットなどのプラットフォームに、ブルーバードなど格上車のパワートレーンや足回りを組み合わせた、極めて保守的なもの。

ライバル同様、既にFF化していたブルーバードをベースにしたFFスペシャリティクーペという案もありましたが、結果的にFRのままとされた事で、ローレルやスカイラインと同様、つまり「上級車の贅沢な走りを味わえるデートカー」として、面目も立ちました。

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