ウインカーを出すタイミングはルールが定められている

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右左折や車線変更する際に使用するウインカーは、使用する際のルールが道交法によって定められています。

道交法第五十三条では「車両の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。」とされており、道路交通法施行令の第二十一条ではそのタイミングまで指定されています。

左折、右折および転回時は「その行為をしようとする地点(交差点においてその行為をする場合にあつては、当該交差点の手前の側端)から三十メートル手前の地点に達したとき。」、車線変更時は「その行為をしようとする時の三秒前のとき。」と規定されており、「右左折時は30メートル手前、車線変更時は3秒前」と覚えている人は多いでしょう。

必要な場所でウィンカーを出さなかった、または必要な場所以外でウィンカーを出した場合、「合図不履行違反」や「合図制限違反」として取り締まりを受けるおそれがあり、いずれも普通車および二輪車で6,000円、大型車で7,000円、原付が5,000円の反則金と、違反点数1点の処分を受けることになります。

「30メートル」は道路標示を目安にするとよい

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教習ではそう教わるのに実際の路上ではほとんどが「合図と同時」か「合図があと」

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前述のとおり、右左折や進路変更のときにウインカーを出すタイミングはルールが明確に示されています。そのため、教習所ではこのルールに則った運転を教え、試験等でこのタイミングが不適切な場合は減点の対象に。

つまり、運転免許の交付を受けたすべてのドライバーが適切なウインカーのタイミングを知っていて、そのとおりにできていたはずなのですが、実際に道路を観察しているとそのタイミングは守られておらず、ひどい場合にはウインカーを使用しないこともあります。

周囲に車や人がまったくない道路で見通しもよいような状況だからウインカーは出さなかった、という理由であればまだしも、周囲に多くの車や人がいるような市街地においてもこうした運転を行う人がほとんどなため、ウインカーを出すタイミングが遅いことが常態化していると言えるでしょう。

「ストーカーに狙われるから女性はウインカー出さないほうがいい」「ルールどおりに運転すると初心者だと思われてあおられる」「ウインカーを出して行き先を告げるからかえって妨害されやすい」など、もっともらしい理由を挙げてウインカーのタイミングを遅らせることを正当化する説もあるようです。にわかには信じがたいのですが、実際の道路を見ていると否定できません。