マツダ「ロードスター」に歴代最強の「2リッター仕様」登場か! 激速「コンプリートマシン」はいつ発売!? 開発エンジニアに話を聞いた!

マツダはカスタムカーイベント「東京オートサロン2024」で、2リッターエンジンを搭載した「ロードスター マツダスピリットレーシング RSコンセプト」を参考出品しました。ロードスター初の2リッターモデルはどのようなマシンに仕上がっているのでしょうか。

マツダのモータースポーツ活動の知見を活かしたコンプリートカー

 カスタムカーイベント「東京オートサロン2024」でマツダは「ロードスターMAZDA SPIRIT RACING RSコンセプト(以下、ロードスター マツダスピリットレーシング RSコンセプト)」を出展しました。
 
 ソフトトップのロードスターで初となる2リッターエンジンを搭載するといいますが、市販化は実現するのでしょうか。

 ロードスター マツダスピリットレーシング RSコンセプトは、エクステリアだけでなく、インテリアもビシッと仕上がっており、混雑していたオートサロン2024会場のなかでも、ひと際注目を集めていました。

 そこで同モデルの開発を担当したマツダのファクトリーモータースポーツ推進部の楠 弘隆氏に話を聞きました。

 楠氏は、スーパー耐久参戦車両などの開発リーダーを務めるかたわら、ジムカーナやダートラにも参戦する凄腕のマツダエンジニアです。

「マツダは昨年、スーパー耐久シリーズ ST-Qクラスに、2リッターエンジンのロードスターをベースとしたマシンで第4戦のオートポリスから参戦しました。

 このレーシングカー開発で得られた知見を落とし込んだ姿が、このロードスター マツダスピリットレーシング RSコンセプトです。

 エンジン排気量を1.5リッターから2リッターへアップしたことで、より爽快な走りができるようになりました」

 東京オートサロン2024ではロードスター マツダスピリットレーシング RSコンセプトのほかにも、「MAZDA SPIRIT RACING 3 concept」という、マツダ3をベースとしたマツダスピリットレーシングブランドのモデルが出展されていました。

 このマツダスピリットレーシングブランドの目的は、マツダのモータースポーツ活動を通じて得た知見を元に、効果があったアイテムを投入したコンプリートカーをお客様へ示すこと。

 サーキットで効果があったアイテムを投入しながらも、ロードゴーイングカーとしての快適性を損なうことがないよう、まとめ上げることにも配慮していると話します。

マツダスピリットレーシングはまた、内外装の質感向上もテーマとしています。

 ロードスター マツダスピリットレーシング RSコンセプトでも、専用の17インチホイールやハイグリップタイヤ、専用エアロパーツ(今回のショー向けのワンオフ)や所々に入れた赤いラインなど、アピアランスにもこだわっているとのこと。

 ホイールセンターキャップや、車両後部に装着したマツダスピリットレーシングブランドを象徴する「R」のロゴも特別仕様だそうです。

 内装も、シートにサーキットを想定したロゴ入りのRECARO製専用バケットシートと赤いシートベルトを採用していたり、センターマーク付きのアルカンターラ巻きハンドルやセンターコンソールやドアトリムなど、手が触れる部分にも質感の高いアルカンターラで仕立てています。

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コアなロードスターファンに向けた特別なマシン! 価格は500万円近くに!?

 楠氏によると、ロードスター マツダスピリットレーシング RSコンセプトのターゲットは、次のようなユーザーだといいます。

「子育てがひと段落した世代で、1.5リッターのNDロードスターを所有して普段の足として使いつつ、たまにサーキット走行をされているような人を想定しています。

 サーキットで運転することで技量が上がれば、1.5リッターのNDロードスターでは、どうしても物足りなくなる部分が出てくると思います。

 そのときに、乗り換え候補となるようなロードスターを提案してきたいと考えています」

 また楠氏は、今後の展開についても教えてくれました。

「このコンプリートカーでサーキット走行のワクワク感を存分に感じていただきたいですが、日常使いでも質感を高く感じていただきたいと考え、マツダ流の色使いにこだわりました。

 お客様の声を聴きながら、今後も全体のコーディネートをさらに熟成させていきます」

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 ロードスター マツダスピリットレーシング RSコンセプトの正式な販売時期については、現時点で明らかになっていません。

 筆者(吉川賢一)の予想では、おそらく年内には動きがあると思われます。

 市販バージョンの販売価格については、同じエンジンを積んだ2リッターロードスターRFの最上級モデル「RS」(消費税込み価格430万円)よりも上、おそらく450万円から470万円程になるのではと予測しています。

 500万円弱となかなかの高額車となりますが、初めから完成されたコンプリートカーが欲しいという声は多いそうで、コアなロードスターファンに向けた特別なロードスターになることでしょう。

 日本が誇る2シータースポーツカーであるマツダロードスター、その特別なコンプリートカーの動向に注目していきましょう。