“開通おめでとう渋滞”だった?「三郷流山橋有料道路」通ってみた 懸念が残る“料金所” 流山橋は渋滞緩和?

埼玉~千葉県境で新たに開通した三郷流山橋有料道路を通ってみました。開通直後ゆえか、料金所で詰まり、渡りきるのに長時間を要しました。一方、期待されていた流山橋の渋滞緩和はどうなったでしょうか。

料金所渋滞が見られた開通直後

 埼玉県が三郷市と千葉県流山市の間で整備を進めていた「三郷流山橋有料道路」約2kmが、2023年11月26日(日)15時に開通したので早速通ってみました。

 三郷流山橋有料道路は江戸川に架かる新たな橋。2.5km下流で三郷市街と流山市市街を結ぶ「流山橋」のバイパスとして、流山橋の慢性的な渋滞の緩和に期待がかかっています。千葉県側ではつくばエクスプレス(TX)沿いの「都市軸道路」へ接続しており、流山おおたかの森などTX沿線から、大型商業施設が集中する新三郷方面や越谷レイクタウン方面へ、直接向かえるようになりました。

 今回は、このようにTX沿線住民の利用者が多いであろう千葉県側から利用しました。流山市街から常磐道 流山ICへアクセスする県道5号(松戸野田線)と都市軸道路の交点が、有料道路の実質的な入口です。拡幅された都市軸道路は、側道部と橋へ向かう本線部とでしっかりとカラー舗装がなされているほか、道路の両側に遮音壁なども新設されており、以前と比べると見違えるようになっています。

 この時点で、開通30分後の15時30分頃。あいにくの雨でしたが、渡り初めのクルマが多かったのか、ここから橋を渡りきるまで“なかなか動かない渋滞”でした。

 ストップ&ゴーを繰り返しながら、ゆっくり橋を上っていくと、江戸川と埼玉県側を見下ろすような光景が広がり、遠くには常磐道の橋も見えます。歩道部では、雨にも関わらず徒歩で渡り初めをする人も。ちなみに、埼玉県道路公社が管理する有料道路であるため、通行料金は普通車で150円、軽自動車100円、自転車などの軽車両等も20円かかりますが、徒歩利用は無料です。

 暫定2車線の橋をダンゴ状態でゆっくり進み、ようやく橋の頂点へ。そこから下り坂になると、渋滞の原因が分かりました。埼玉側の橋のたもとにある料金所です。

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ETCならもっと早い?

 料金所は上下線で2レーンずつとなっています。この有料道路では「ETCGO」と呼ばれる新たなサービスを導入しており、スマートICのように一旦停止ながらETCが利用可能です。ただ現時点では対応カードが「ダイナーズクラブカード」のみとなっており、注意喚起の看板も置かれていました。該当するETCを利用できる人は、かなり限られます。

 その代わり、埼玉県道路公社が他の道路でも導入している交通系ICカードや、WAONといった電子マネーが利用可能です。今回はPASMOを手に持って、窓を開けてそれと分かるように料金所の窓口へ進入しました。

 収受員は「交通系カードですね」と声をかけると、窓口にいったん背を向けて、おもむろにカードリーダーを手に持って差し出し、「ここにタッチしてください」と案内してくれました。ピッという音が鳴ったあと、発行されたレシートを手渡してもらい、通過しました。

 その応対は実に丁寧でしたが、交通系ICカードでも、一連のやり取りで10秒以上はかかりました。埼玉県道路公社によると、ETC以外の決済では「車種を判別して(手動で)料金を設定する必要があります。最初なので慣れもあるでしょう。既存の道路(新見沼大橋有料道路、皆野寄居有料道路)ではもう少し早いです」と話します。

 ETCの場合は一旦停止が必要ですが、車種判別も自動で行われるため、収受員が停止位置の案内などはするものの決済が終わればそのままスルー可能で、「最も早く通過できる」といいます。対応カードが拡大し、より多くのクルマがETCを利用できるようになってほしいところ。ただ、ETCで障がい者割引などを適用する場合は、収受員への声がけが必要だということです。