凍ったガラスに「お湯」はNG! クルマの窓ガラスが凍結どう対処? 事前事後の対応方法とは

寒い時期にクルマのガラスが凍結していることがあります。その対処方法として「お湯をかける」という行為を挙げる人がいますが、実はこれはやってはいけない行為です。

冷え込み厳しい時…ガラスが凍る可能性が

 冬になるとクルマのガラスが凍ることがあります。

 同じような気温なのに凍る場合と凍らない場合があるなど、なにか条件があるのでしょうか。
 
 また、どのように対処するとよいのでしょうか。

 冬場の寒い朝に外出しようとしたら、クルマのガラスが真っ白に凍っていた経験があるドライバーは少なくないのではないでしょうか。

 あるいは旅先で、氷を溶かす手間がかかってしまった経験もあるかもしれません。

 このようにガラスが凍ってしまう現象は、いったいなぜ起こるのでしょうか。

 多くの場合、寒い日に生じやすく、空気中の水蒸気が凝結して水滴になる現象の結露が考えられます。

 気温が低い日は、車内と車外で気温差ができやすいため、車内の温かい空気が外気で冷えた窓に触れることで飽和水蒸気量が小さくなり、凝結して結露が生じます。

 凍結はガラスに付着した水滴が冬の冷たい空気でさらに冷やされて、凍りつくことで発生します。

 このようにして凍結したガラスに対して一部では「お湯をかけて溶かす」という行為が見られますが、問題ないのでしょうか。

 自動車のガラス製造も請け負うガラスメーカーは、次のように話しています。

「ガラスが凍った際に、お湯をかけることは急激な温度差により、細かい傷や亀裂の部分から割れが広がってしまう可能性があり、推奨していません。

 とくにフロントガラスは飛び石などによって、目視できないような小さな傷が付いていることもあるため注意が必要です」

 例えば、キンキンに冷やしたコップに熱々のお湯を注ぐと、クルマのガラス同様に割れてしまう可能性があります。

 ゆっくりと温度を変化させるのであれば問題はないものの、一部に急激な温度変化が起こると周りの体積と温度変化が起こった部分の体積に大きなギャップが生まれた結果、破損に繋がります。

※ ※ ※

 では、適切な対処方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

 前出の担当者は「それぞれのクルマの取扱説明書に従い、エアコンによる暖気で時間を解凍するのがもっとも一般的な対処法なのではないかと思います」と話しています。

 クルマのガラス部分については曇りを取り除く「デフロスター(フロント)」「デフォッガー(リア)」があります。

 このデフロスター/デフォッガーを活用するという方法も挙げられます。

 エンジン始動直後は、エンジンが温まっておらず、デフロスター/デフォッガーからも冷気しか出ないかもしれません。

 しかし、しばらく始動させていることで次第に暖かい空気が出るようになり、徐々にガラスが温められることで、ガラスの凍結を解消することが可能です。

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簡単に出来る「溶かす方法」がこれです!

 またデフロスター/デフォッガーでは溶けるまでにある程度の時間が掛かることから凍結したフロントガラスに吹きかけることで素早い解氷を促す液剤の解氷スプレーを活用する方法も挙げられます。

 解氷スプレーは基本的に、エタノールなどのアルコール成分が含まれており、解氷を促進するだけでなく、定期的に使用することで凍結を防止する効果もあるとされています。

 JAFが行ったユーザーテストによると、解氷剤を塗ってから1分ほどでまんべんなく霜が溶けています。

 なお鍵穴やドア周りのゴムシールなどが凍結してドアを開けられなくなることも、その場合でもドア周りの水気を拭き取り、凍結防止剤を塗っておくと防げます。

 また、スクレイパーで物理的に排除する方法もあります。

 しかし、ガラスに傷がついてしまうといったことがないように、スクレイパーは金属製ではなくプラスチックや少し硬めのゴム製が推奨されています。

 そのほか、寒冷地や積雪地では駐車時のワイパー保護は大切です。

 凍ってフロントガラスに貼りついたワイパーを動かすと、無理な力がかかることでゴム部分が変形したり、ワイパーの停止位置がずれたりと、新たなトラブルが起きかねません。

 そのため、事前にワイパーを立てておくのが望ましいです。

※ ※ ※

 気温が急激に変化する時期や真冬では様々なトラブルの可能性が考えられます。

 それらを予防するためにも対策グッズや予備知識を持っておくことが大切です。