トヨタが「凄いハイエース」実車展示! V6搭載の300系!? 新エンブレム採用から見える本気度合いとは

トヨタは新たな取り組みを「ハイエース」で始めたことを発表しました。水素社会の実現のために開発された300系ハイエースの特徴とはどのようなものなのでしょうか。

凄い300系ハイエースを実車展示! どんな特徴が?

 2023年11月11日にトヨタは新たな取り組みを「ハイエース」で始めたことを発表しました。
 
 グローバルで展開されるハイエースの取り組みとはどのようなものなのでしょうか。

トヨタの商用車となるハイエースは日本だけでなく世界150か国以上で販売されています。

 仕事に使う商用車から個人所有の愛車やウェルキャブ(福祉車両)など、幅広い用途で使われてきました。

 現在まで、海外を含めて5度のフルモデルチェンジが行われています。

 日本では2004年から5代目200系が販売され、2019年からはアジアやオセアニアに向けなどに300系が登場しました。

 300系は、専用プラットフォームの採用とセミボンネット化により、基本性能や快適性を大幅に向上させるとともに優れた安全性を実現。

 また国や地域により、物流のみならず送迎、観光、乗合バスなどに対応するため、バン・コミューター・ツーリズムを設定しています。

 現在設定されているパワートレインは、3.5リッターガソリン車と2.8リッターディーゼル車をラインナップ。

 ボディサイズは、全長5265mm-5915mm×全幅1950mm×全高1990mm-2280mm、ホイールベース3210mm-3860mmと200系と比べて大幅に拡大します。

 このような特徴を持つ300系ですが、日本では試作車として燃料電池車(FCEV)を開発し、モータースポーツの現場などで実証していました。

 FCEVシステムや水素タンクは同じく燃料電池車の「ミライ」のものを使っており、後続距離は初期の段階で300kmから400kmとなっています。

 また実際に乗った印象はFCEVならではのモーター加速により車重を感じさせないものでした。

 そして、今回新たにお披露目されたのが水素エンジンを搭載する300系です。

 見た目は300系のボディやホイールに青のアクセントカラーを採用。さらにリアには「H2」というエンブレムも付与されており、これは2022年11月16日に行われた新型「プリウス」のワールドプレミアで示唆されていました。

 この300系は、2023年6月にトヨタテクニカルワークショップで公開されたレクサス「LX(水素エンジン仕様)」に搭載された3.5リッターV型6気筒ガソリンエンジンにディーゼルエンジンに使われる尿素SCRシステムなどの技術を加えて水素エンジン化したものを搭載。

 現在のスペックは最高出力120kW、最大トルク354Nmとなっています。

 また6月の公開から11月の間にエンジンの制御系をカイゼンすることで、6月のLXよりも滑らかなフィーリングとなっていました。

 床下に搭載される水素タンクなどは前述のFCEVとほぼ同じだと言います。

 またトヨタの中嶋裕樹副社長は次のように語っています。

「300系ハイエースは、ほぼ市販化出来る状態ですが、現在200kmという走行距離で実用を考えればもう少し伸ばして世の中に出したい。

 まずFCEVと水素エンジンの両方を用意し、各地域のニーズを見ていきたいと思います。

 そして詳細を見据えてはトヨタの得意とするハイブリッドも考えたいです」

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 今回、この300系は2023年10月23日から2024年1月までにオーストラリアのメルボルン近郊の公道で建設会社、警備会社の運行による「走行実証」を行うことも発表されました。

 これは水素エンジンを搭載するクルマが海外の公道を走るという大きな一歩となります。