えっ…! なぜスズキが「ワイン」を売っている!? 自動車メーカーが「お酒」を取り扱う意外な理由とは

軽自動車やコンパクトカーのイメージが強いスズキですが、じつは「ワイン」の販売も手掛けています。一体なぜ自動車メーカーが「お酒」を販売しているのでしょうか。

意外!「スズキ」のワイン販売に歴史あり

 自動車メーカーの中には、「自動車の製造・販売」以外にも様々な事業を展開しているメーカーがあります。
 
 中でも「なぜ!?」と意外性の高いメーカーが、軽自動車やコンパクトカーに強い「スズキ」で、なんと「ワイン」を販売しています。
  
 一体なぜ自動車メーカーなのにワインを販売しているのでしょうか。

 スズキの子会社のひとつである「スズキビジネス」では、特販事業を展開しており、その中で「ハンガリーワイン」を扱っています。

 なぜスズキがハンガリーワインを販売しているのか、その理由をひもとくと、30年以上も過去となる1991年までさかのぼります。

 この年、スズキはハンガリー政府と共に乗用車を生産する合弁会社「マジャールスズキ」を設立しました。

 当時スズキでは、「スズキの製品を輸出している国で、逆に日本へも輸入できるものがあれば積極的に輸入したい」と考えており、乗用車生産を機にハンガリーからも何か輸入しようと思案したそうです。

 そこで白羽の矢が立ったのが「ハンガリーワイン」。

 実はハンガリーは世界的なワインの生産国で、日本では広く知られていないものの美味しいワインを多数生産しています。

 スズキも1991年11月からハンガリーワインを日本で販売することにしたほか、ハンガリー産アカシア蜂蜜など、様々なハンガリーの特産品を扱っているのです。

 そしてスズキビジネスは、このような物販事業をはじめとして不動産・住宅事業、石油事業、保険事業などさまざまな事業も行っています。

 実は、こうしたさまざまな本業以外の事業を展開する自動車メーカーは珍しくなく、例えばトヨタでは、「トヨタファイナンシャルサービス」で金融事業、「トヨタホーム」で住宅事業を行っているほか、船舶事業や農業支援、医療支援、ビルメンテナンスなどを展開。

 ホンダもロボットや航空事業のほか、不動産、保険、ホテル、旅行、外国人サポートなど、手広く行っています。

 また、スバルが航空機事業を行っているのは有名ですが、金融や住宅、情報システム事業のほか宇宙関連事業と、まさに地球の外まで幅広い事業を手掛けています。

 このように、自動車メーカーの行っている事業はクルマやバイクに限られず、身近な意外な商品に自動車メーカーが関わっていることもあるのです。

 機会があれば、自分の好きなメーカーがどんな事業を展開しているのか調べてみてはいかがでしょうか。